2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

アルノー・デプレシャン監督 2004『キングス&クイーン』(脚本:アルノー・デプレシャン、出演:エマニュエル・ドゥヴォス / マチュー・アマルリック / カトリーヌ・ドヌーヴほか、フランス、カラー)

を観に行った。渋谷イメージフォーラム。素晴らしい!二時間半となんとも尺の長い(感覚の問題だが)映画だったが、まったく長いと思わなかった。映画が始まってまず気づくのが、音楽に対する意識が独特であること。これは凄い。自分が映画や演劇に音楽をつ…

Next Time Around

円満字二郎,2005,『人名用漢字の戦後史』,岩波新書

読了。漢和辞典編集者の著者が、戸籍の人名に使用可能な漢字の変遷を追った著作である。大変に構築主義的。個々のロジックにはところどころ甘い部分があるように思えなくもないが、もともとが社会学のディシプリンとは無縁であるため、それ自体は責められる…

近未来

新海誠監督 2002『ほしのこえ』(脚本・原案・撮影・美術:新海誠、音楽:天門、日本、カラー)

をDVDで観た。あれだ、一人で全部(ほとんど)作ったってやつだ。ひとりで全部作るのがなにが偉いのかよく分からないが、とにかくあれだろう、「ひとりで作ってこのクオリティは凄い」ということなのだろう。確かにCGのクオリティで馬鹿に出来ない部分はかな…

Year 2000 Non-Compliant Cardia

ロン・ハワード監督 1988『ウィロー』(製作総指揮・原作:ジョージ・ルーカス、出演:ワーウィック・デイヴィス / ヴァル・キルマー / パトリシア・ヘイズほか、アメリカ、カラー)

をDVDで観た。何か楽しかった。お父さんが寝る前の子供たちに対して毎晩でたらめに考えるお話、というのはジョージ・ルーカスのおはこであろうが、とにかく話がずんずん先に進むようなぜんぜん進まないような、わけの分からないストーリーである。でも楽しい…

Hymn For Nobody

押井守監督 1995『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(原作:士郎正宗、出演:田中敦子 / 大塚明夫 / 山寺宏一ほか、日本、カラー)

をDVDで観た。評判ほどの作品ではないと感じた。どうにもこうにも。もう少しちゃんと考えられることがいくらでもあるのにな、と思わせる説教臭いせりふのかずかず。オタクのボウヤたちには一定程度受け入れられるだろうが、ちゃんと考えていないという点にお…

Alone Together

宮崎吾朗監督 2006『ゲド戦記』(原作:アーシュラ・K・ル=グウィン、原案:宮崎駿、出演:岡田准一 / 手嶌葵 / 田中裕子 / 香川照之 / 菅原文太ほか、日本、カラー)

を観に行った。新宿文化シネマ。弟とその友人と、三人で!本当はそれに加えて母も来るはずだったが来なかった。自分大丈夫か。何が不安なんだか分からないが何か大丈夫なのかという気分にさせられる。それはともかく映画は、なんだ。うん。うん。吾朗ちゃん…

At Last

『プライスコレクション 若冲と江戸絵画』展(東京国立博物館平成館)

に行った。しかし閉館時間を一時間勘違いしていて、45分くらいしかいられなかったのだった。まぁおかげで空いてたからよかったけど。それにしてもプライスコレクションというのは凄まじいコレクションだ。圧倒的である。若冲あり抱一あり其一あり、応挙に蕭…

Kay

西川美和監督 2006『ゆれる』(脚本・原案:西川美和、音楽:カリフラワーズ、出演:オダギリジョー / 香川照之 / 伊武雅刀ほか、日本、カラー)

をアミューズCQNで観た。全然期待しないで観ることが出来たというのは比較的ラッキーというか偶発的なシチュエーションの賜物であって、しかも期待していなかったものがよかったものであったりすればそれはもう素晴らしくてナイスチョイスということになるわ…

Essa Passou

沖浦啓之監督 1999『人狼 JIN-ROH』(原作・脚本:押井守、音楽:溝口肇、日本、カラー)

をDVDで観た。ふたたび念のため書いておくが、DVDは弟が借りてくるもので、弟のチョイスなのだ。自分で選んでるわけじゃあない。そしてこれはあまり面白い部類には入らないアニメであった。アニメというメディアの特性を活かせているとも思えない。話を分か…

Don’t Git Sassy

ナイジェル・コール監督 2003『カレンダー・ガールズ』(イギリス、カラー)

をDVDで観た。母が『スイング・ガールズ』とともにツタヤで借りてきたからだが、なかなかいいチョイスだ。しゃれは大事だ。しかしまぁいかにもフツーの映画であった。シークエンスのつなぎ方が適当だったり行動の動機付けがなおざりにされていたり、しかしま…

Triumphant

田山花袋,1930,『布団・一兵卒』,岩波文庫

読了。初田山花袋。文章がわりとへたっぴだったり構成が意外とへたっぴだったり人物造形がいかにもへたっぴだったりした。読んだことがないってことでちょっとびびって、私小説に対しては今までなかなか攻撃的な態度を取ってきた(これはこれで変な話だ。食…

LIVE LIFE

Rousseau, Jean-Jacques, Rêveries du promeneur solitaire: 青柳瑞穂訳『孤独な散歩者の夢想』,1951,新潮文庫

読了。ルイ=ルネ・デ・フォレの「おしゃべり男」(あるいは「おしゃべり」)を読む授業でロマン主義の発露の代表例として頻繁に言及されていたのをちょうど古本屋で見つけたので買った。ルソーは初めて読んだかもしれない。とにかくこの本はどうもいけすかな…

泣けるほど

Weber, Max, ÜBER EINGE KATEGORIEN DER VERSTEHENDEN SOZIOLOGIE : 林道義訳『理解社会学のカテゴリー』,1968,岩波文庫

読了。研究室に「ご自由にどうぞ」みたいなひと言とともに置いてあったので貰ってきた。読み始めるやいなやすぐ分かったことだが、大変大事な、重要な著作であった。と書くといかにも間抜けっぽいが、まぁそうだったのだから仕方がない。しかし面白い!なん…

Pulk/Pull Revolving Doors

More, Thomas, Utopia: 平間正穂訳『ユートピア』,1957,岩波文庫

読了。大体この手の本に書いてある内容はおおよそのところを知っているものだし、そのもろもろ文化史あるいは歴史上の含意というかまぁそんなことについてもおおむね知っているものだが、やはりその本そのものを読むと発見は多い。ディテイルだ。というよう…

スクラップル・フロム・ジ・アップル

Francis, David and Stephen Hester, 2004, An Invitation to Ethnomethodology, London: Sage

読了。初めて英語で一冊通して読んだ。というような感慨は全然なかった。むしろ読むのに時間がかかりすぎてうんざりした。エスノメソドロジーが社会学というディシプリンのなかでどのような状況、立場に置かれているのかということに非常に自覚的であった点…

Ave Maria