2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

Schutz, A., 1973, Collected Papers I: The Problem of Social Reality, Hague: Martinus Nijhoff. (=1983,渡部光・那須壽・西原和久訳『アルフレッド・シュッツ著作集 第1巻〜社会的現実の問題[I]』マルジュ社.)

読了。こういうものを物好きにも読んでしまったりするのは本当に物好きであるなぁ。「主観」ということばがあって、このことばとどうディールするかというのは結構な問題である。まぁ現実にはこのことばをよく知っているし使いこなしてさえいる人でも、そこ…

JuJu

黒澤明監督,1954,『七人の侍』(出演:三船敏郎 / 志村喬 / 津島恵子ほか,音楽:早坂文雄,日本,モノクロ)

をDVDで観た。すげーなー面白いなー、カメラワークとかも、へー、と思いながら観ていたが、なんだろうな、ちょっと気になったことがあったのだった。それは、百姓も一方的な被害者の善人ではない、というようなくだりで、これは下手をすると「人間がよく描け…

さよなら妹よ

Levinson, S.C., 1983, Pragmatics. Cambridge: University Press.(=1990,安井稔・奥田夏子訳『英語語用論』研究社.)

読了。This is hardcore!って感じでハードコアな言語学の研究書を500ページほど年の瀬に。言語学をやることの面白さはおそらく「ことばって本当にうまく出来てるよな・・・」というところに根っこがある気がする。色々考えれば考えるほど面白い規則性がたく…

Easy To Love

福田雄一監督,2005,『THE 3名様』(出演:佐藤隆太/岡田義徳/塚本高史,日本,カラー)

をDVDで観た。大好きな志賀廣太郎さんがパフェおやじとしてパフェをがつがつ食べる様子などが最大の魅力である。安藤玉恵さんも出ている。何でさん付けなんだろう。痛いのどを痛めながらずいぶん笑った。これの面白いところはやはり妙なリアルさという感じな…

Let me free

森鷗外,1938,『山椒大夫・高瀬舟他四篇』岩波書店

読了。とにもかくにも読了だ。誰か何か解説してほしい。斉藤茂吉の解説がついてるけど。もっとしてほしい。「魚玄機」はなにかの香りがして、特に良かった。魚玄機の才色兼備描写など非常に魅力的で、でも「忽然悟入」して「真に女子に」なったというのはど…

愛さずにはいられない

『Otomo Yoshihide's New Jazz Quartet』(新宿PIT INN)

に行った。発売日にチケットを買うほど楽しみにしていたが、かなり硬派で渋いライブだったと言ってよいだろう。ゲストはオプトロンの伊東篤宏。噂には聞いていたが(どこで聞いたか忘れたが)実物は初見。すげー。あれはスター・ウォーズのライトセーバーみ…

暗闇から手を伸ばせ

SePT独舞vol.16『さよなら』(振付・構成・出演:矢内原美邦,出演:足立智充/関寛之/高橋幸平/矢沢誠/三浦舞子,映像:高橋啓祐,衣裳:スズキタカユキ,宣伝美術:野田凪/吉田ユニ,三軒茶屋シアタートラム)

を観に行った。宣伝美術スタッフに野田凪の名前があったのとあとはチラシから若干危惧していたのだが、やはり、多少ナイーブにセンチメンタルであったことは否めないだろう。そしてそこからが問題なのだが、おそらくはこの「さよなら」というワンフレーズが…

ボクハナク

アンソニー・ミンゲラ監督,2003,『コールドマウンテン』(出演:ジュード・ロウ / ニコール・キッドマン / レニー・ゼルウィガー / ドナルド・サザーランド / ナタリー・ポートマン / フィリップ・シーモア・ホフマンほか,アメリカ,カラー)

をDVDで観た。脇役でフィリップ・シーモア・ホフマンやナタリー・ポートマンが。戦争ラブストーリーなー、と思ったら『イングリッシュ・ペイシェント』と同じ監督だった。それにしても、恋愛については思うところがありすぎて(まぁ誰でもそうなのかもしれな…

キューティー

新国立劇場『エンジョイ』(作・演出:岡田利規、新国立劇場小劇場)

を観に行った。実は観る前から宮沢章夫が「富士日記2」に書いた文章を読んでしまっていた。これはチェルフィッチュ(とは言っても『エンジョイ』のチラシには一度もチェルフィッチュの名前は出てこない。新国立劇場の主催公演だからである)、ポツドール、…

Drive You Home

ジェームズ・アイヴォリー監督,1993,『日の名残り』(原作:カズオ・イシグロ,出演:アンソニー・ホプキンス / エマ・トンプソン / ジェームズ・フォックス / クリストファー・リーヴ / ヒュー・グラントほか、イギリス=アメリカ,カラー)

をDVDで観た。詩情とか心情とか、へりくだりではなく、よく分からないのだが、とにかくそんなものが気になるのはやはり「原作モノ」だからか。心理について説明が甘いというか説得力がないんじゃないか映画として、と思ったのもやはり原作が気になるからか。…

Seadrum

ジョージ・ロイ・ヒル監督,1969,『明日に向って撃て!』(出演:ポール・ニューマン / ロバート・レッドフォード / キャサリン・ロス,音楽:バート・バカラック,アメリカ,カラー)

をベータで観た。なんだこれめちゃくちゃ面白いじゃないか!ということで、いやー、世の中本当に面白いことがたくさんあるなぁ。映画としては綺麗なカットが何の衒いもなく結構たくさん入っていたり、他にも撮影が気になった。あとは心理劇としてよく出来て…

恋の歌

山崎敬一編,2006,『モバイルコミュニケーション〜携帯電話の会話分析』大修館書店

読了。ホント読む本なんて選んでらんないっすよ、端から読むんじゃボケナス!って感じであるが、やはり読んでみると少しは面白いところがあるのである。ただし少しは面白いからと言って時間をかけてはいけないのだな。さして面白くない本とかを偉そうに読ん…

A Hard Rain’s A-Gonna Fall

Feil, N., 1993, THE VALIDATION BREAKTHROUGH: Simple Techniques for Communicating with People with "Alzheimer's-Type Dementia".(=2001,篠崎人理・高橋誠一訳『バリデーション〜認知症の人との超コミュニケーション法』筒井書房)

読了。学術書ではない一般書ももちろん読まなくてはならない(まあこの二者の区別は大変曖昧だけれども)。しかし一般書はさらっと読むべきである。はずなのだが、わりとしっかり読んでしまったのは、内容がめちゃくちゃ面白おそろしいものだったからである…

Binari

保田與重郎,2001,『ヱルテルは何故死んだか』新学社

読了。読んでいるあいだじゅうずっと異文化交流をしている気分だった。翻って、社会科学諸派の実証主義ということに思いを馳せる。最近「クソ実証主義」という言葉を何回も聞く機会があったのだが、もちろん反対にあるのは「クソ言いっ放し」である。「クソ…

パイオニア CD-Jの操作によるピアノ・ソロ、Uaのタイトルコール添え

珍しいキノコ舞踊団『あなたが「バレる」と言ったから』(振付:伊藤千枝,出演:山田郷美・佐藤昌代・伊藤千枝,グリーンホール相模大野多目的ホール)

を観に行った。はるばる相模大野くんだりまで!新宿から急行で40分かかったので、これでつまらなかったらどうしようとか思ってしまったのだが、杞憂であった。音楽の音量が素晴らしく適切で、大きいところは最大限大きくしてあって、ライブ芸術の音はやはり…

But Not For Me