新海誠監督 2002『ほしのこえ』(脚本・原案・撮影・美術:新海誠、音楽:天門、日本、カラー)

をDVDで観た。あれだ、一人で全部(ほとんど)作ったってやつだ。ひとりで全部作るのがなにが偉いのかよく分からないが、とにかくあれだろう、「ひとりで作ってこのクオリティは凄い」ということなのだろう。確かにCGのクオリティで馬鹿に出来ない部分はかなりの程度あるとは思うがしかし基本的に絵がうまいかというとそうではないし、映像以外の諸側面(ストーリーとか)に関してはまぁ全然、だし、何よりセンスというか品性というか、どうなんだそこは。あの文字の入れ方とか、フラッシュ文化かもしくはテレビのバラエティ番組のテロップ文化かまぁそんな辺りだろうが、とにかく何にしろいただけない。絵画における線であり色であり、小説における文体であり、演劇におけることばでありからだであり、音楽における音色であるようなところのもの、そういったものが決定的に欠けている。マチエールが欠落している。