2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

溝口健二監督,1954,『山椒大夫』(原作:森鷗外,音楽:早坂文雄,出演:田中絹代/花柳喜章/香川京子ほか,日本,モノクロ)

をビデオで観た.久しぶりに映画を観た.しかしなんだかあまり思うところがなくて,するすると終わってしまった.最後とか,いいな,とは思うのだけれど,そんなに圧倒されるほどでもなかった.妙な,というか,変な,というか,やや問題ある感じのヒューマ…

Spanish Castle Magic

『栗田美術館常設展』

を観に行ってきた.栃木県は足利にある伊万里と鍋島の美術館.なんだか凄まじかったぞ.これに先立って箱根美術館でも陶磁器を観てきたのだが,陶磁器は,凄い.主として造形と色彩の世界であり,そしてその色彩というのが,全くもって精妙緻密な世界で,そ…

Just Thing

劇団地上3mm『トカトントン――唄を忘れた純友は――』(原作:鶴屋南北『金幣猿島郡』,脚本・演出:川口典成,下北沢楽園)

を観に行った.何と言っても出演していた森澤友一朗が素晴らしかった.大変に魅力的だった.役者がレーシングカーであるとすると,レーシングカーは何と言っても走らなければその真の魅力が発揮されないが,走るコースによって,その発揮が十全に達成される…

MinorCats

『HARAJUKU PERFORMANCE +』(キュレーター:桜井圭介,ラフォーレミュージアム)

に行った.全体的に,「桜井圭介とその周辺による学芸会」という感じ.完成度の低さは覆いがたい.最初はドラびでお.見聞を広めた.しかし,もっとずっと政治的に過激な感じかと思っていたら,意外と穏当だった.そして,意外と普通だった.次にcontact Gon…

Monsoon Town

大駱駝艦『カミノベンキ』(振鋳・演出・鋳態:麿赤兒,音楽:千野秀一,世田谷パブリックシアター)

を観に行った.しかし,ほとんど寝ていた.寝不足だったからだ.九割近い時間を寝ていたはずで,こんなに寝たのは初めてだ.しかし,作品として良さそうな作品だったので,残念である気もするが,こうやって,観に行ったのに寝てしまって観られないとか,他…

FRIDAY NIGHT エビフライ

勅使川原三郎『ミロク』(出演・振付・美術・照明・音響・衣裳:勅使川原三郎,新国立劇場小劇場)

を観に行った.久しぶりに観ておくか,というごくごく軽い気持ちで行ったら,これが最高であった.2007年に何を観たかもうほとんど忘れているが,最高の舞台だった.最初から最後まで勅使川原のソロであり,おそらくそれがもう単純に素晴らしかったというこ…

Move

『文楽十二月公演』(東京国立劇場小劇場)

を観に行った.やはり文楽は面白すぎるところがあり,たいへん素晴らしい.今回は出演者のラインナップのせいもあってか,最後の最後までしびれさせられるところまでは行かなかったものの,とはいえそれでも,表現の妙味はやはり文楽ならではのものであった…

体操

音楽+ダンス+朗読による『コヨーテ・ソング』(構成・演出:宮城聰,作曲:原田敬子,演奏:加藤訓子,ダンス:康本雅子,朗読:永井健二,朗読作品:「同行二人」「コヨーテ、妊娠する」「風一陣」伊藤比呂美『コヨーテ・ソング』より,学習院女子大やわらぎホール)

も観に行った.こちらもどういう作品なのかよく分からなかったのだが,うーん.「才能ある女性の周りにはいつも勘違いした男たちがいる」という宮城聰のアフタートークに,腹を立てた自分は,今となってはかわいらしい.才能ある女性がいるならそれはいいし…

ポツドール「女」シリーズ第2弾『女の果て』(脚本・演出:溝口真希子,赤坂RED/THEATER)

を観に行った.うーん.作品の軸がぶれていたのか,自分の軸がぶらされたのか,とにかくどういう作品なのかよく分からなかった.この日はそのまま,

Same Day

『余白の辺縁』(構成・振付・出演:ボヴェ太郎,セルリアン・タワー能楽堂)

を観に行った.ボヴェ太郎,本名だ.と,濱マイクを思い出した.ボヴェ太郎はからだがなかなかよくて,橋懸かりを歩いてきたときから,なかなか,と思わせるくらいであったので,それはなかなかである.そのまま,自分のからだのよさに逆らわない,いい感じ…

Purple Haze

パラドックス定数『東京裁判』(作・演出:野木萌葱,pit北/区域)

を観に行った.たいへんたいへん素晴らしかった!2007年に行った舞台のなかでも五指に入る素晴らしさ.とにかく役者が揃いも揃って異常なまでに格好良く,魅力的で,現代の身体にあの魅力を宿らせる演出は凄い.時代物は,なかなか難しいと思うのである.そ…

ズッコケ娘