2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『渋谷毅ソロ』(西荻窪アケタの店)

に行った.小沢健二ファンには『球体の奏でる音楽』のピアノ,佐藤雅彦ファンには『ピタゴラスイッチ』の中の「フレーミー」のテーマ曲のピアノ,『おかあさんといっしょ』ファンには「こんなこいるかな」のテーマ曲の作曲,でおなじみの渋谷毅を聴いてきま…

想い出は夜汽車にのって

『時光−蔡國強と資生堂』(資生堂ギャラリー)ほか

に行った.「ほか」は本当に「ほか」で,いくつかギャラリーに行ったのだが,とにかく蔡國強について書きたいことはちょっと下らない種類のことだ.爆竹使う中国人というくらいの認識だったのだが(あとは彼の作品である直島の文化大混浴では実際に混浴した…

言葉にならない気持ち

高村薫,2006,『照柿(上)』講談社

読了.父に借りて読む大衆小説シリーズ,第何弾か忘れた.文章の細部や話の構成に疑問がないわけではないが,ともすれば笑ってしまいそうになるこのハードボイルドな感じというかギラギラした感じというのは,実は,自分が大変にハードボイルドな(フィクシ…

Nice Work If You Can Get It

諏訪敦彦監督,2005,『不完全なふたり』(出演:ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ/ブリュノ・トデスキーニほか,フランス=日本,カラー)

を観た.細かい部分はほとんど即興で撮られた映画だそうである.固定の長回しがしつこくて,途中眠ってしまったが,あけすけで身も蓋もない感じの描写は,デプレシャンを彷彿.だから,悪い映画ではなかったのだろうとは思うのだが,しかし,「よいリアリズ…

Slip

ポツドール『人間失格』(脚本・演出:三浦大輔,三鷹市芸術文化センター星のホール)

を観に行った.んー.劇中の転轍点に説得力があったかどうか,ということが強いて挙げれば疑問であるが,そんなことはどうでもいいのかも知れない.相変わらず(とりわけ再演『激情』以来)基本的にディテイルとかの作り方がうますぎて,職人的な抜群の安定…

All Blues

珍しいキノコ舞踊団『あなたの寝顔をなでてみる』(構成・振付・演出:伊藤千枝,吉祥寺シアター)

を観に行った.しぶかった!小道具やギミックを使わず,音楽に寄りかからず,踊りだけで舞台作品を作ろうとしていて,たいへん,しぶい仕上がりになっていた.珍しいキノコは多幸感だなーといつも思っているが,なので,今回は多幸感もやや落ち着いた感じで…

I’ll Never Fall In Love Again

田中康夫,1985,『なんとなく、クリスタル』新潮社

読了.裏表紙には「本書は今や,僕たちのための「新しい古典」である」と書かれていて,大変あいたーな感じであるが,でも実は,そんなに言っていることは間違っていないようでもある.ただ,小説として賞が取れた理由はまったく不明だ.

さよなら!街の恋人たち

ロジャー・カンブル監督,1999,『クルーエル・インテンションズ』(出演:サラ・ミシェル・ゲラー/ライアン・フィリップ/リース・ウィザースプーン/セルマ・ブレアほか,アメリカ,カラー)

をTVの放映で観た.昼間に民放でやってるやつだ.「美少女大集合!」という煽り文句がついていて,つい観てしまったのだった.全体的なストーリーとかは駄目なのだが,恋愛の駆け引きに関するディテイルは,ちょっとふーむと思った.世の中は,フィクション…

花と蝶

『アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌』展(東京国立近代美術館)

に行った.大変素晴らしい展覧会であった.の上で言うが,ふたつ気になったことがあって,一つめは,ある冗長さがあったと思うのである.それは美の冗長さと言うよりはもう一歩踏み込んで真理の冗長さ(真理は定義上冗長であろう)に近い.具体的には繰り返…

Almost Hear You Sigh

阿部真大,2007,『働きすぎる若者たち 「自分探し」の果てに』NHK出版

読了.拝読いたしました.このページをご覧の皆様は,なるたけ読んでいただけるとよろしいかと存じます.自己実現ややりがい,将来の夢,などといったもろもろに対するもやもやした思いをお持ちの方などには特におすすめいたします.

あたらしいひと

COLLOLリーディングシリーズ『ガラスの動物園』(作:テネシー・ウィリアムズ,words&direction:田口アヤコ,門仲天井ホール)

を観に行った.一つの役に複数の役者と言って思い出されるのはやはりまずはク・ナウカであり,次にはチェルフィッチュだろうか.一つの役に複数の役者を充てると言うことは,端的に言ってコンセプチュアルな営みである.ク・ナウカにおいてもチェルフィッチ…

In The Morning Of The Magicians