ジョージ・ロイ・ヒル監督,1969,『明日に向って撃て!』(出演:ポール・ニューマン / ロバート・レッドフォード / キャサリン・ロス,音楽:バート・バカラック,アメリカ,カラー)

をベータで観た。なんだこれめちゃくちゃ面白いじゃないか!ということで、いやー、世の中本当に面白いことがたくさんあるなぁ。映画としては綺麗なカットが何の衒いもなく結構たくさん入っていたり、他にも撮影が気になった。あとは心理劇としてよく出来ていると思ったのである。Who are those guys?というせりふがしつこいほど出てくるが、この追われる心理が実に上手でびっくり。まぁ他にも上手いなぁというところが何箇所もあって、感心しきり。口ばっかりで何にもしない上に言ってることも結構適当、よくはずれる、というポール・ニューマンがさわやかに我が事の様に感じられたのは、自分ナイスと思った。実生活で色々あったりなかったりとかしながらも、こうやってめちゃくちゃ面白い映画とか観ながら何とかかんとかやっていけている、という図式でここ三年くらいは生活している。『明日に向って撃て!』とか、まだ観てなかったんだもんなぁ。まだまだ色々ある。小説ではいま鷗外の「山椒大夫」が読みかけで、ちびちびと貧乏くさく読んでいて大変面白く、音楽ではおととい初めてYo La Tengoを聴いたし、近年はこの「まだまだ色々あるなーほんと」感に生かされている気がする。これと「色々な人がいるなー」というのはまったく別の事である。「色々な人がいる」ことに生かされたりしてはいけない。