2007-01-01から1年間の記事一覧

『演じる女たち ギリシャ悲劇からの断章』(渋谷Bunkamuraシアターコクーン)

を観に行った.のはもうだいぶ前のことで,よく覚えてないなぁ.なんだか舞台はとほほな感じで,そうだ,このトホホさ加減というのはいったい何なのかと考えたのだった.ウズベキスタン・イラン・インドからわざわざお越し頂いた演出家と役者によるギリシャ…

夜から朝へ

海野弘,1983,『モダン都市東京−日本の一九二〇年代』中央公論社

読了.小説または小説家と,1920年代の東京について.だから実は自分にはあまり関係がなかった.文学とかやってる人が読めばいいのだと思う.それにしても,昔の事というのは面白いな.歴史,と言ってもいいかも知れないが,面白すぎて危険だ.特に当時書か…

Kokopelli

宮台真司,1987,『世紀末の作法−終ワリナキ日常ヲ生キル知恵−』リクルートダ・ヴィンチ編集部

読了.実は初宮台.それにしても,馬鹿のひとつ覚えみたいで悪いのだが,こんな本を男子中学生や高校生が読んだら,去勢されちゃうよ.言うなれば,自分たちと同じくらいの年の女の子たちがブルセラだのエンコーだのって話だ.きっと凄い無力感を覚えるだろ…

メトロ

アリストパネース『女の平和』(高津春繁訳)岩波書店

読了.すごく面白かった.男たちは戦争ばかりしているので,そしてそのあいだ女たちはほっぽらかしにされて淋しいので,女たちは男たちにお預けを喰わせて,それで戦争をやめさせようとする,という話なのだが,ディテイルがあほらしくて素晴らしい.お預け…

Devoted To You

デヴィッド・リンチ監督,2006,『インランド・エンパイア』(出演:ローラ・ダーン/ジェレミー・アイアンズ/ジャスティン・セローほか,アメリカ,カラー)

を観た.恵比寿ガーデンシネマ.面白かった!寝不足だったし三時間とか絶対寝るよなーと思っていたら面白くて寝なかった.しかも,久しぶりに,何が面白いんだかよく分からなくて面白かったのが素晴らしい.でも今はもうだいたい分かってしまった.千円もす…

Music For A Found Harmonium

ミクニヤナイハラプロジェクト『青ノ鳥』(劇作・演出・振付:矢内原美邦,映像:松本力・高橋啓祐,音楽:桜井圭介・スカンク,吉祥寺シアター)

を観に行った.素晴らしかった!いきなりだが,ピナ・バウシュと矢内原美邦はどこか似ていて,なんだか知らないけど泣けるのである.今回の『青ノ鳥』は,準備公演のときに輪をかけてミニマルの対極にある感じで,情報量の多さが気持ちがよい.驚くべきは(…

Never Had a Dream Come True

遊園地再生事業団『ニュータウン入り口 または私はいかにして心配するのをやめニュータウンを愛し土地の購入を決めたか』(作・演出:宮沢章夫,作曲:桜井圭介,三軒茶屋シアタートラム)

を観に行った.宮沢章夫の作品についてずっと気になっていたことが今回も気になった.それは,作品がテーマに解消されてしまうのではないかということである.そんなことはない.と言うのは簡単だが(なぜなら「そんなことはない」部分を列挙することは簡単…

私の場合

中野成樹+フランケンズ『遊び半分』(原作:J.M.シング『西の国のプレイボーイ』より,誤意訳・演出:中野成樹,赤坂RED/THEATER)

を観に行った.面白かった!冒頭からト書きを読んでみたりして,オーソドックスな異化の仕方.セリフ回しにもいかにも「せりふを言ってます」という感じがあって,これもまた異化か.とにかく舞台上で観客を前に演劇をやることの嘘くささに対して極めて自覚…

Cast Off Crown

村松岐夫,2001,『行政学教科書〔第2版〕』有斐閣

読了.表紙にはPOLITICAL ANALYSIS of MODERN PUBLIC ADMINISTRATIONとあります.しかし,まぁ,何というか,「行政学者」という人がいるなら,その人たちがどういうことをしているのかはよくわからなんだ.というかいるのか?

Makam Yegah

『9月文楽公演』(国立劇場小劇場)

を観に行った.第二部の吉田玉男一周忌追善「菅原伝授手習鑑」から初段と二段目.これで三大名作は一部分とは言え三つ観たことになるが,この菅原伝授手習鑑はその中でもっともエンターテイメント性が低く,またその分芸能としての完成度は極めて高いと感じ…

A Hard Day’s Night

『劇団朱雀9月公演』(浅草大勝館)

に行った.絶望した!ので人に電話をかけたりした.恩師が「ボクは下手なものが駄目で」と言っていたことの意味は,こういうことではないだろうかと思った.いや違うかも知れないけれど,思ったのは,つまり,下手なものを作って公にする人たちに絶望し,そ…

眠れぬダヴ

『ALTERNATIVE ELEKI-TOWN』(秋葉原CLUB GOODMAN)

に行った.今年30周年を迎える突然段ボールの企画.3バンド目から見たが,名前分からず.なんだか良い感じのナルシシズムだった.最近はダンスや演劇を観て,「何をしたいのか」をはっきりさせないまま,観客とのコミュニケーションを丸投げにしてしまってい…

Hahen Fukei

『東京能楽囃子科協議会定式能』(国立能楽堂)

に行った.舞囃子が三曲,「高砂」「三輪」「藤戸」,一調「山姥」,狂言「井杭」,と来て,能「井筒」まで,休憩なしの三時間半だった.お目当ては「井筒」の友枝昭世先生であったが,他の曲もおもしろかった.能狂言というのは,なんだか不思議な部分が多…

不真面目に行こう

COLLOL『arrow〜野田秀樹作『贋作・桜の森の満開の下』より』(words&direction:田口アヤコ,音響演出:江村桂吾,王子小劇場)

を観に行った.もう,こういう時代は終わって良いのではないかと思うのである.時代に関する感覚は,まぁないならないで良いのだけれど,あったら良いと思います.それは,同時代を生きる,というレベルでの共同体が,成し遂げたことと直面した問題と乗り越…

Tombo the electric bloodred

原研哉,2003,『デザインのデザイン』岩波書店

読了.うーん.あまり新しい情報がなかったな.しかし個々の文章の中で使われる比喩がおもしろい.認知言語学ではメタファーは認知の基本として扱われているし(たとえば時間が前とか後とかっていうのは明らかに空間のメタファーだ),お笑いの,特にダウン…

Funky President (People It’s Bad)