2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

新川敏光・G・ボノーリ編著,2004,『年金改革の比較政治学―経理依存性と非難回避―』ミネルヴァ書房

読了.経路依存性とか拒否点構造とか,そういうタームについて勉強したかったので読んだが,これらは結局,いいのか,これで.いったいどうなれば研究が成功したことになるのかがよく分からないのである.こう何というか,歴史的に記述をしていって,はいこ…

裏窓

『金刀比羅宮書院の美 応挙・若冲・岩岱』展(東京藝術大学大学美術館)

に行った.素晴らしい!楽しくて幸せだった.おめでたいこときわまりない.うまい肴と極上の酒(日本酒だ),あとはそれをともにする素晴らしい相手が揃ったときの,あの完璧な瞬間は,まさにすばらしくNICE CHOICEな瞬間なのだが,岩岱の柳の絵の前に立つと…

すばらしくてNICE CHOICE

『渋谷毅(p)+さがゆき(vo)+潮先郁男(g)』(西荻窪アケタの店)

を聴きに行った.素晴らしかった!二十世紀前半までのスタンダードナンバーを中心にした選曲(今年中にこのメンバーのこの選曲でレコーディングするらしいですよ!).渋谷さんが本当に自由自在で素晴らしいのはともかく,さがゆきさんは前回聴いたときより…

好きだった

Verne, J., 1888, Deux Ans de Vacances.(=石川湧訳,1958,『十五少年漂流記』角川書店)

読了.面白かった!ところで,「モコは黒人で選挙権がないので,投票するのは十四人だから,八票で当選する」というところなどは,あまりにナチュラルでちょっと笑った.ところでさいきんYahoo検索でわたくしめの名前を入れてここを見てる人がいるんだけど,…

Con Palo No

木ノ下歌舞伎『yotsuya-kaidan』(作:鶴屋南北,補綴:木ノ下裕一,演出・美術:杉原邦生,こまばアゴラ劇場)

を観に行った.しかし,タイトルは『yotsuya-kaidan』である.mazuiだろ,これは.それともhukuzatsuにねじれたジョークなのだろうか.いや,いや・・・.とにかく,面白くなかった.「古典」なる存在の社会的記号的価値におんぶにだっこである.洞察と研究…

PYRAMID

『花形・名作舞踊鑑賞会 夜の部』(国立劇場小劇場)

を観に行った.最初は長唄「近江のお兼」.最近こんなことばっかり言ってる気がするが,歌舞伎の見方が分かった気がする.今まで歌舞伎を観たのは歌舞伎座や新橋演芸場の後ろの上の方の席ばかりで,なんだか遠かったのだろう.国立劇場の小劇場は,小ぶりで…

Mother Popcorn

魯迅,1923,『吶喊』(=竹内好訳,1955,『阿Q正伝・狂人日記 他十二篇』岩波書店)

読了.んー.自分は中国という国のことはよく知らないのだな,と思った.あと,魯迅が漢方医を憎んでいることはよく分かった.

大人になれば

『SKIN+BONES 1980年代以降の建築とファッション』展(国立新美術館)

に行った.会期最終日はとても混んでいて,展覧会は客の多少によって入場料を変えるようなシステムだったらよいのにな.しかし,こんなにおいしい企画なのに,さして面白く感じなかったのはどうしてだろうか.それは人の多さばかりではないように思う.ひと…

こころの母は北斗星

Auster, P., 1990, SMOKE AND BLUE IN THE FACE.(=柴田元幸他訳,1995,『スモーク&ブルー・イン・ザ・フェイス』新潮社)

読了.ポール・オースターが関わった二本の映画のシナリオや製作ノートなど.あまり面白くなかったかな.しかし柴田元幸の後書きは大いに参考になる部分があって,それはこういう変則的な本の後書きだからこそだろうとは思った.

Light My Fire

阿保順子,2004,『痴呆老人が創造する世界』岩波書店

読了.たいへん参考になった.「痴呆老人」たちのかみ合わない会話が多く引かれている.

トレイン・ロック・フェスティバル

佐野洋子,1995,『わたしが妹だったとき/こども』ベネッセコーポレーション

読了.佐野洋子は大好きだったが,もっと好きになりました.こう何というか,「実は残酷なこども」みたいなレトリックってあると思うんですが,そのレトリックが持つ暴露趣味的な性格って本当に下らなくて,そこに「本当のこどものことを分かっているわたし…

Null & Void: Left Side

松岡心平編,2000,『能って、何?』新書館

読了.やれすぐに同性愛だの近親相姦だの少年愛だのを読み込むのは下品きわまりないことであり,だいいち極めて失礼な話であって(何に対して失礼なのかは誤解しないで頂きたい所だが),オタク全開みたいな女の子たちならともかく,桐生操(という人がいた…

私のロシア・カフェ

高村薫,2006,『照柿(下)』講談社

読了.現代の『罪と罰』と紹介されていて,って,まぁそれはそうかも知れないが,しかしだとすれば『照柿』のラスコーリニコフは人を殺さないのである.よく『罪と罰』があらすじで紹介されるときなどは,ラスコーリニコフは自分を殺人をも許された天才だと…

Gold

『ONJO』(新宿ピットイン)

に行った.フルメンバーの夜の部.初めてONJOを聴いた厚生年金会館以来,初めて,よく分からなかった.今までONJOは(もっとも音源で聴く限りはONJQのときからそうだが)漠然と音響エモだなーと思って聴いていて,あるいはそれは歌謡曲ジャズとかジャズ演歌…

あめふりヒヤデス

池田信,2001,『社会政策論の転換―本質-必然主義から戦略-関係主義へ―』ミネルヴァ書房

読了.後半でギデンズとアルチュセールの話がごりごり入っていて,その入り方は不思議な感じがした.ところで全然関係ないことだが,ブログを書いていてもっとも面白い(たぶん)瞬間は,まれに訪れる「きさま!見ているなッ!」という時である.こっそり見…

Eighth