神崎宣武,1993,『盛り場の民俗史』岩波書店

読了.「江戸東京学」みたいなものが大流行した時期というのがあって,この本はややその時期からはずれて出版されているが,しかし,なんなんだろうなそれは.歴史は単純に凄く面白いのはよく分かるので,逆に単純な面白さに絡め取られないよう注意が必要だし,凄く面白いものを凄く面白がっている態度は往々にして見るに堪えないものであることが多いので注意が必要だ.やや自己言及が過ぎる気がするものの,自分にとってのこの「上品」とか「下品」とかいう感覚の源泉は何なんだろうというのは気になる.それは下らないお上品さとは違って,ストイシズムやそれと裏表のアニマルな感じと密接に結びついている,と思いたい.