Giddens, A., 1976, New Rules of Sociological Method, London: Hutchinson & Co.(=1987,松尾精文・藤井達也・小幡正敏訳『社会学の新しい方法規準―理解社会学の共感的批判―』而立書房.)

読了。ギデンズの前掲書とは二冊でセット、というような内容。こちらの方が内容が難しい雰囲気なので読み飛ばすのにも時間がかかるが、実は同じことを繰り返し言っている。それにしても『社会学』の第5版日本語訳が出たとか書いたけどあれはどうやら事実誤認らしくて、まぁ記憶力が悪いのに記憶に頼って書くものではない。が、誰も訂正しないし自分でも訂正しようとは思わないのは、世界の隅っこの方で版がどうとかいうことはわりとどうでもいいことだからだ。自分自身さまざまなブログでさまざまな事実誤認を目撃してきたが、指摘したことはない気がする。Wikipediaがテキトーだっていうのはよく言われる話で、まぁなんにせよそこにある情報が不確実であるなんてことはわかりきっているといった感想を述べてみたい誘惑にかられる(「〜といった感想を述べてみたい誘惑にかられる」はギデンズがこの本で書いていた。英語だとわりとさらっと言えそうだが、日本語だといやらしいな)。しかし先日、ジャーナルに載ってるペーパーに「ブログなどを見たかぎりでは」とか書いてあったのを読んでぎょっとしたのだが、それは結構アリというか、意見の存在とまでは言わないにしても、そういう語りの存在可能性くらいのレベルで受け止めておけば、そう、それは結構アリだと思うのだ。それは言説分析とか構築主義よりはもう少し言説そのものにコミットした仕方になるのだろう。そしてそれでいいのだろう。