佐藤慶幸,1999,『現代社会学講義』有斐閣

読了。もう二週間も前なのでよく覚えていないが、社会学の概説書の体裁をとりながらも自分の言いたいことを言いまくっていて、抱き合わせ販売のような様相を呈している。それでそれが、アメリカ礼賛なのだ。アメリカにおける市民団体の活動がいかに活発であるのか、またそれがいかに素晴らしいことなのかというようなことが書いてあって、ひょえーと思う。でも実は、そういったかたちで、現実に存在する団体や活動や個人に希望を見いだして望みを託していく態度というのは誠実なのかもしれない。そんなものが何もないままでいられるというのは、すごく不誠実なことではあるまいか、と思わないでもないということだ。まぁ間違いなくもっとも不誠実なのは望みを託したふりをすることである。