に行った．能「絵馬」（粟谷明生），狂言「無布施経」（野村萬），能「木賊」（粟谷能夫）という，重いラインナップ．たいへんくたびれた．重い曲など，見慣れていないので，つい前後を忘れて没入してしまった．それにしても，脇能のめでたさと言ったらないので，これはもっと見たい．そして，重い曲の「重さ」の源泉は，むしろ空白にあるように思って，しかしいったい何の空白なのか（空白というのはあるはずの所にそれが不在であるということだろうから，いったい何が「あるはず」なのか），ということは，もう少し考えてみないといけないが，少なくとも，隙間を埋めていくようなものではないということだ．隙間なんてものは遍在しているとだって言えるわけだが，その隙間を戦略的に使って，そこにただならぬ力を充填させることが出来るのは，能とかローリング・ストーンズとか，ごく限られたものだけだ．
