碓井粔・丸山哲央・大野道邦・橋本和幸編,2000,『社会学の理論』有斐閣

読了。この本は社会学の概説書のような顔をして、何かと言えばグローバリゼーションである。でももしかしたら「この本は」という指示の仕方は不当で、本当は何ら指示対象のない「何かと言えばグローバリゼーション」こそが正当なのかも知れない。さらにしかし、何ら指示対象のない言明は怪しすぎるので駄目だ。何から何までグローバリゼーションであるはずがないのである。それは何から何まで肉じゃがではないのと同じだ。いや、もちろん違うけど。だとすれば、何から何までグローバリゼーションであるはずがない、と、わざわざ言わなければならないような状況というのは、それはきっと国際関係論なんていう学科が出来てしまうことと無関係ではあるまい。