BATIK『SHOKU』(構成・演出・振付:黒田育世,群馬県吉井町廃工場)

を見た.NHKの芸術劇場で.イデビアン・クルーはまぁやっぱりあまり面白くなかったが,BATIKはすごかった!素晴らしかった.頭をかきむしりたくなるような感じ,というか,自分の場合だと,前後の脈絡なく「あー」とか言いたくなる感じ,が,あたかも草間彌生の作品のようにダンスになっていて,これは凄い.その未分節の感覚(未分節なので,「頭をかきむしりたくなるような」とか,あまりにも不適切な表現で,とはいえ適切な言語化が極めて困難なので,何とも言いがたい.こういう言語化困難なことを,その辺の手近にある言語で機械的=反射的に表現してしまうと,言語にヤられてしまって,もう少し自由な方からは疎外されてしまうだろう.言語をあくまで暫定にしかしないことで,ちょっとは花咲く美しさの中にもいられるかも知れない)を,理知的に冷静に現実に定着させる技術に参る.だからいつだってそういった作品は,「人間」という存在が辛くも勝利した,その勝利の凱歌のようである.ぎりぎりで,何かのお化けに勝った感じだ.