筒井康隆,2008,『ダンシング・ヴァニティ』新潮社.

読了.母の友人から母がもらったものをさらにもらった.最近こんな感想ばかりだが,最後なんて本当に泣ける.世界というか,人生を愛するあの感じに.そういえば,『8 1/2』のようでもあり,というか,筒井康隆の『8 1/2』であると言ってよい.気がする.本当は,「何かが素晴らしい」と言ってしまったのではそれはちょっと違う感じがするので,ただ「素晴らしい」と言いたい.この感じには,ぐちゃぐちゃと色々な気持ちが入っているから,ちょっと何だか分からないことになっている.何だか分からないこの感じに翻弄されていると,安心してひとつ所に落ち着いていたくなるが,しかし,いっそ,さらにぐちゃぐちゃな方へ行くって方向性に思いを致す方がむしろ翻弄も安心も一挙両得できる気がするし,それはいいものであるだろう.