『姜泰煥, 高橋悠治, 田中泯 Breath Passage 2008』(下北沢アレイホール)

に行った.サックスとピアノと舞踏.素晴らしかった!田中泯は2年前に戸山公園で観て以来で,ずっと観たい観たいと思っていたのだった.そして,田中泯は舞踏家であったことを思い出した.記憶の中では素晴らしい身体性と流麗な動きが前景化されていたのだが,今回は,身体の異化をより強く見た.姜泰煥も高橋悠治も名前を知らなかったのだが,姜は韓国フリーインプロの大御所で,高橋悠治クセナキスに師事していたという.はー.姜の循環呼吸を駆使し,またその駆使が必然であると思わせるスタイルは,面白かった.それにしたって田中泯であって,彼が世界に触れるように我々は恋人のからだを触ったことがあるだろうかと考えてみるとちょっと危ういところがある.しかし,我が畏友がいつか言っていたように,人間なんて触ったら同時に触られるので結局触り合うことになるではないか.世界に触れるときには世界に触れられるのである.田中泯の踊りには,空気に対する触覚や,からだの重さの感覚があった.