『第十五回テアトル・ノウ東京公演』(宝生能楽堂)

を観に行った.前半は仕舞が五曲,その間に舞囃子「実盛」(片山九郎右衛門).後半は能「融」(味方玄).もう一週間も前のことなのでよく覚えていないが,片山九郎右衛門の「実盛」はよかった.京都の観世ということで,すっきりした中にも重厚な硬質さがあって,とか書くと大変もっともらしい感じだが,ただ,こんなもっともらしい形容詞を探しながらの観能であった.後半の「融」は「舞返」の小書き.どうしたって思い出すのは早舞の部分で,これはすさまじかったのだった.大変な,もう本当に大変な御祭騒ぎであり,何も無い私だって融け合っている感じの祝祭!思い返してみれば完全にもってかれたのだった.ちょっとの間,ONJO亀井広忠先生が加わっている様子を妄想した.