『ニッポンのデザイナー展』(Shiodomeitaliaクリエイティブ・センターEXPO700)

に行った.およそ世の中の職業で,もっとも不条理に良い給料をもらっているのはデザイナーである,と常日頃から思っている.そこに淡い憎しみの感情がないわけではないが(と言ってもほとんどないけど),しかし,圧倒的に強いのは魅力だ.「デザイン」という言葉はもう言葉だけで面白くて,「デザインとは何か」ということを考え始めると,(『「デザインとは何か」とは何か』,という,問いの妥当性に対する問いまで含めて)これは興味が尽きない.もちろん,現実的な存在形態としては接頭辞付きのデザインがほとんどであるだろうから,その各々のフィールドで問題になることは異なってくるはずだ.はずだが,この展覧会は,その名も『ニッポンのデザイナー展』であり,細かい分野についてはあまりこだわっていない(一応便宜的に色々書いてあるけど).ちなみに,文系の学問の世界には「概念遊戯」という言葉があって,まぁいたずらに概念をいじくりまわすことを戒める言葉なんだけれども,デザインという分野においては,概念遊戯が許されていたりとかむしろ奨励すらされているような節があって,そのデザインに内在する論理というか倫理というかは何なのだろうか,ということに,今は凄く興味がある.