『伊東豊雄 建築|新しいリアル』展(東京オペラシティアートギャラリー)

に行った。父とふたり、自転車で。何やってるんだろう自分はと思わないでもなかったが、結果的に「楽しい!楽しいね!」とはしゃぐ相手がいてよかった。凄く楽しかったのだった!何が楽しかったって、伊東豊雄建築の一類型である例の曲面が、実寸大で会場に設置されていて、というかワンフロアがまるまるうねうねしていて、そこに入るときは靴を脱がされたりとかして、もうなんだめちゃくちゃ楽しいな。うねうねしたところで、「感覚が狂う」と素朴にのたまった父はなかなかのものだ(子ばか)。感覚が狂う、うん、それ大事ね、岐阜に養老天命反転地という作品があってね、とか話そうと思ったがやめた。コンセプトを提示する一連のCGやドキュメンタリーの映像とか、模型とか、あとは具体的に施工段階でのテクニカルな関心にこたえる展示(鉄筋とか)、それにクロノロジカルな展示(雑誌やノートなど)もあって、コンパクトに完璧。いま展覧会タイトルを見返して気付いたのだが、そうか、建築の世界におけるリアリティは確かに新しくなりつつあるのかもしれない。それはわりと単純に楽しみだ。「建築の快感!目的の遂行!」って感じだ。色々な意味で屋上屋を架す感じだが、初台の、甲州街道と山手通りの交差点はどえらいことになっている。甲州街道の上を走る首都高のさらに上を山手通りの高架を通そうというのだ。ミニ四駆とかチョロQとかのコースみたいだ。期間限定観光名所にしたらいい。巨大建築大好きな自分にはもう堪えられない光景である。夜中忍び込んで登りたい。そういう意味で、立体交差の現場も視野に入れればもう本当に素晴らしいことこの上ない展覧会だが、ただし、エマージング・グリッドという概念の妥当性についてはだいぶ検討の余地があるように思われた。方途としてはともかく、方向としてはどうか。考えなければならない。