松本康編,1995,『増殖するネットワーク 21世紀の都市社会学1』勁草書房

読了。都市社会学の概説とネットワーク研究の紹介をしている第1章以外は斜め読み。都市社会学の分野としての重要な構造と思われるものはいくつかあって、ひとつはそれが近代化論だということである。近代化としての都市化を扱う。よってコミュニティ、あるいは第一次的な絆の変容ということが問題になる。もうひとつは、都市(あるいは都市度)というものを不可避的に変数(従属変数にしろ説明変数にしろ)として扱うということだ。都市を変数として扱わなくて何が都市社会学なのかは確かに今のところ分からないが、とにかくそんなことをぐるぐる考える。ちなみにネットワーク研究は交友関係や交際範囲などを調べる、いわば友だち研究である。しかし、都市というリアリティが本当にそんなところにあるのだろうか。