夏目漱石,1975,『吾輩ハ猫デアル(下編)』ほるぷ

読了。やはり人間がたくさん出てくると楽しい。そして最後10ページくらいのまとめ方はずるい。ずるいながらも思わず感じ入ってしまった。当たり前と言えば至極当たり前の、大変正しいことが書いてあるだけ、だけということもないかもしれないが、いや、それだけなのである。それに対していまさらながら泣けるというだけのことであるのかもしれない。「呑気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする。」思わずこうやって抜書きしてみたくなってしまうような、そんなキャッチーな文章を書く人である。