フランソワ・オゾン監督 2002『8人の女たち』(主演:カトリーヌ・ドヌーヴ/エマニュエル・ベアール/イザベル・ユペール/ファニー・アルダン/ヴィルジニー・ルドワイヤン、美術:アルノー・ド・モレロン、衣裳:パスカリーヌ・シャヴァンヌ、フランス、カラー)

をDVDで観た。まず衣裳とセットの色使いに驚く。オペラ演出的な色使いの対比、要するにユニクロのCM的であった。こういう色使いは好き。そしてすぐに一曲目を歌い始めるのだが、ミュージカル仕立てになっているとはとんと知らなかったので再び驚く。しかもこれ歌唱・振付ともにへたうまさ加減が素晴らしい。ストーリーはサスペンスで終始進行するが、まぁその巧拙については正直あまりよく分からないので置いておくにしても、それを演じる女優たちのアンサンブルが素晴らしい。ひと癖もふた癖もあるキャラクター、というよりはひと癖かふた癖かある8人のキャラクターを8人の女優が真面目に演じていて大変よい。しかしまぁ歌が入らなければ圧倒的に弱い映画になっていたであろうことは明白であるとはいえ、大変面白い映画であった。