新国立劇場『ガラスの動物園』(作:テネシー・ウィリアムズ、翻訳:小田島雄志、演出:イリーナ・ブルック、美術:ノエル・ジネフリ、音楽:フランク・フレンジー、振付:田井中智子、出演:木内みどり/中嶋朋子/木場勝己/石母田史朗、新国立劇場小劇場)

を観に行った。まず美術がなかなかよろしい。隙がない。そして開演からしてすでに劇構造を揺さぶる仕掛けになっていて、うーむ。大変面白かったのだが、どこから何を語ればいいのかよく分からない。時折はさまる音楽が、ともすればくどくうるさくなってしまうであろうところをうまく回避していたのもよかったし、ちょっとだけ挿入されるダンスがださくなくてなかなかよかった(演劇に挿入されるダンスは大抵ださい)。木内みどりがせりふをかみまくっていたのが気になったものの、本当に何だかむかむかするような母親役、として迫真の演技だったし、出演者は全てうまい。中嶋朋子が非常に魅力的であった。演出としては、何か脱構築的な奇抜な解釈を施すということはなくて、むしろディテイルへのこだわりが感じられる、現代のウェルメイド、な感じの演出だった。