レパートリーの創造2005『ソウル市民』(作:平田オリザ、演出:フレデリック・フィスバック、シアタートラム)

を観に行った。以前やはりパブリックシアターで上演したジュネの『屏風』を演出した演出家が、今度は平田オリザをやるということでチケットを取ったのだが、なかなかすれすれな感じで面白い。舞台も面白く、イリハケのやり方も面白く、演出も面白かった。平田戯曲のどうしようもない感じのところがことごとく異化されていて、なかなかどうして新境地を目の当たりにした感じがした。しかしどこをとっても微妙なセンスの綱渡りをしていて、同行者のもたらす安心感にちょっとびっくりした。あれをあんなに安心して一緒に観られるのは、本当に彼の凄さ、というか彼と自分の相性の良さだと確信した。ちなみにポストトークで出てきた野村萬斎は、やっぱりやなやつだった。しかしオフのときの本物はもっと凄いらしい。