『かもめ・・・プレイ』(演出:エンリケ・ディアス,原作:アントン・チェーホフ,静岡芸術劇場舞台芸術公園野外劇場「有度」)

に行った.はるばる静岡まで,三羽烏で.上演自体(あとアフタートーク)もそんなに悪いものではなかったものの,それに触発されて交わした会話は遙かに有意義で,実に素晴らしかった.自分たちのポテンシャルを再確認した.そしてチェーホフをなかなか良い感じの手つきで味わったので,そのチェーホフには救われた.しかも,あれだけやってもまだチェーホフは底を見せないのであり,そして我々もまた,始発を待つホームで反省したように,もっとよりよいことをやれるはずなのであって,そういった後味の良さもまた,復讐心など不要であると思わせてくれる.復讐ではなく,ことに際してそれを解きほぐす手つきが,翻って自分をもまた解きほぐすからである.