ダニエル・ゲラー/デイナ・ゴールドファイン監督,2005,『バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び』(出演:アリシア・マルコワ/イリナ・バロノワ/ナタリー・クラフスカ/フレデリック・フランクリン/ジョージ・ゾリッチ/他バレエ・リュスの歴史を飾る伝説的なダンサーたち,アメリカ,カラー/モノクロ)

を観に行った.渋谷のライズX.全体に流れるトーンがなんだか幸せな感じで,かつてのダンサーもインタビューに答えて,とにかく踊ることが好きだった,みたいなことばかり言うので,クラシックバレエって非人道的!なんていう風にはあまり思わない作りになっている.しかし様々な苦労が描かれ,そして最後には各出演者の近況が字幕で流れ,バックには感動的な音楽が流れるのであって(最後なんか『火の鳥』のフィナーレ部分で,ぎりぎりでギャグになりそうな選曲だ),それはなんだか泣ける.人に歴史あり,の,その歴史を知ると,人は勝手に感情移入して泣きたくなるのである.バランシンのめちゃ不遇であった時期など,知らなかったが,それを知るとまた感情移入出来る部分が増えて,世界は共感可能な存在の方へと少しだけずれるのである.