『鳥獣戯画がやってきた!』展(サントリー美術館)

に行った.何を見ればいいのかよく分からなかったものの,楽しくはあった.何を見ればよかったのか,辻惟雄先生の『日本美術の歴史』を参照してみようと思ったが,本が平積みになっている一番下にあり,20冊くらいが上に乗っているので,やめた.しかし,絵画というのは凄いもので,と言っても鳥獣戯画はよく分からなかったが,たとえば応挙や抱一などを前にすると,不思議と,孤独感や悲壮感は,乗り越えられる気がするのである.きっとある種の映画にも同じ効用がある.あの,なんだかさびしくなくなる感じは不思議で,というか,そんな次元の話じゃねえんだよ,という感じにすらなり,なんなんだろうなあれは.そして,それは,その鑑賞体験を反芻するだけでは再生できない感覚であり,とは言え自分のどこかに澱が残りもするし,また何度も反芻すれば擦り切れもする(作品ではなくて,自分の感性が,だ,もちろん)であろうことは容易に想像できるので,またそれは不思議だ.