ベルトラン・ノルマン監督,2006,『Ballerina マリインスキー・バレエのミューズたち』(出演:スヴェトラーナ・ザハロワ/ウリヤーナ・ロパートキナ/ディアナ・ヴィシニョーワほか,フランス,カラー)

を観に行った.ユーロスペース.なかなか面白かった.ように記憶している.ただ,クラシック・バレエなんていうものは,あまりに非人間的なのではないかと思ったのだった.なぜ,こんなことになってしまったのだろうか.美しさと酷さでぐちゃぐちゃである.その美しさも酷さも,ある文化的前提における美しさであり酷さであるにしても,それはその感覚を相対化することにはならないし,なんだかよく分からなくなる.なべて世はぐちゃぐちゃである,という気分のときと,世界ってシンプルよね,という気分のときとがあり,バレエはシンプルな気分のときに最大の効力を発揮する.