佐藤健二,1995,『流言蜚語―うわさ話を読みとく作法』有信堂

読了.タイトルの通り,うわさ話を読みとこうとしてしまうのだから驚きである.なぜ驚くかというと,それはやはりアンケートを使ってみたりインタビューをしてみたり,あるいは各種統計資料に対して統計学的分析を施してみたりする,ステレオタイプ社会学のイメージに慣れきってしまっているからだ.しかし,ステレオタイプとばかりも言ってられない,というのも,ディシプリンという問題がある.そこで社会学というディシプリンの異様な緩さを鑑みるにつけ,やはりステレオタイプの手法に拘束されるのは,あまりと言えばもったいない気もする.そして,もったいないとばかりも言ってられないのは,一方でトンデモな研究が跋扈している状況があるからである.難しいようだが,意外と簡単なようでもある.