関根康正編,2004,『〈都市的なるもの〉の現在〜文化人類学的考察』,東京大学出版会

読了.長かった.卑近な話としては,あとがきで北田暁大アンファン・テリブルみたいな扱いを受けていて,それがなかなかに興味深かった.それは北田の書いたプロジェクトXについての文章に対してなのだが,プロジェクトXを身も蓋もなく分析することで,上の世代の歓心を買うというのは,どうやら自分も少なからずコミットしているかも知れない位相であって,注意しなければならない.身も蓋もないあけすけな物言いという一種のパフォーマンスによって結果的に庇護を受けるというのは何ともやってられねーって感じなので,どうせなら最後まで突っ張らなくてはならない.もしくはもっと良い子になるか,どちらかだ.まぁ良い子になるパンクの方がきっと現実的だ.それにしても,そのような北田の態度を,相対化して何でも肯定してしまうポストモダンの身振りとどう違うのか,と,何とか切り返そうとする編者の関根の言葉には感心した.