『踊りに行くぜ!vol.7 SPECIAL IN TOKYO』(アサヒ・アートスクエア)

に行った.踊りに行くぜに行ったのだ.全体としてはなかなかよいイベントだったと思う.凄く大まかに分類すると,ダンス系と舞踏系の二種類のダンスがあった.ダンス系はどんどん踊るのである.舞踏系は身体性とかが問題になるのである.と,適当に分類しておく.1人目の酒井幸菜はダンス系で,でも,そうとばかりも言ってられないので,いきなり分類の有効性が問われそうな気がする.選曲と振付にナイーヴさが見え(必ずしもナイーヴな曲を使うとナイーヴってわけではなくて,それをどれだけ自覚しているかが重要なのである.自分がどれだけナイーヴかを分からないでどうする.),せっかくからだが凄くいいのにもったいない.2人目の納谷衣美×山下残は,なかなか素晴らしかった!わりとでっかい人とわりとちっちゃい人の二人組で,雑伎団みたいな感じなーと思っていたら,実はプロレスだった!プロレスは面白いよ本当に.また観に行きたい.3人目の坂本公成+佐伯有香(Monochrome Circus)は,これはもう舞踏系である.プログラムに書いてある文章もメルロ=ポンティみたいだ(どうでもいいけど『20世紀美術探検』展のSpecial Thanksには鷲田めるろさんの名前があって,この方はたしか鷲田清一のお子さんで,知ってる人は知っている学芸員なのである).4人目の江藤由紀子も舞踏系なのである.もうここまでくると舞踏系って何よって感じがひしひしと,だがしかし,これが,身体が問題になっているのでなくて何だというのだろうか.そして,3人目の佐伯有香もこの江藤由紀子も,なかなかよかったと思うのである.真摯に身体と向き合い,そのどうしようもなさ加減と何とかディールしようとしているからだ.5人目は康本雅子康本雅子の何が好きってからだが本当に大好きなので,踊れば踊るほど観ていて楽しく快く,そういった感興を得ることが出来るのだが,この「ナ花ハ調」という作品は,作品としての結構を大変重視して作られているようで,そこまで踊ることはしない.舞台作品として大変よろしかったと思う.しかし本当のところはもっと本当に踊りまくってほしい.6人目のKo & Edge Co.は,相変わらずで,でも,冒頭が大音量の"Purple Haze"だった記憶はないな.これはわりと安直ではあるものの,クールだったと思うのだ.ジミヘンサイコー.「命がけで突っ立った死体」というのを地で行く感じのこの人たちは,しかし舞踏の繊細な脱力を備えている気がしなくもないあたりは,舞踏系と言うよりはやはり舞踏そのものであるなあ.