森川嘉一郎,2003,『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』幻冬舎

読了.色々と,まぁ,「まったくまたこんな本読んで・・・」みたいな感想をお持ちの方が,いるのかいないのか知らないけれど,とにかく,ちょっと話題にはなったのである.で,読んでみると,ちょっとおもしろい.特に,趣味の構造がある特定の都市(秋葉原)という形を取って現れるあたりの話はスリリングである.通常,同好の士という程度で,都市を形成したりはしない.それが,国や自治体の都市計画でもなく,また私企業による都市のデザイン(渋谷のような)でもなく,どうも個人ベースの趣味によって大きな現象が起きているようだ,というのは,これはもうプロ倫を彷彿,である.いや,もちろん,彷彿,というだけで,現代のプロ倫,とか言っちゃうとさすがに言い過ぎだ.ただ,個人と都市の間のその規定・被規定関係は,なかなかどうして無視できないものがある.