高橋勇悦,1993,『都市社会論の展開』学文社

読了。日本の都市社会学の展開について詳しい記述があるのが嬉しいくらいで、あとは既発表論文の集積なので重複する部分も多く推敲もされてなくて、一冊の本としてはよくない。あとは結構図表がたくさん出てくるのだが、この「図表化してしまう心性」というものについて少し考える。別に図表にしなくてもいいものをしてみたり、図表化すると内容が歪んでしまうようなものを図表にしてみたり、どうなんだそれは、と思うようなことがしばしばあるが、それでもしてしまうメンタリティとは何か。それは実は「現実」と「記述」という素朴な二項対立の素朴な不可能感と通底する部分があるのかもしれない。