新国立劇場バレエ団『ライモンダ』(作曲:アレクサンドル・グラズノフ、振付:マリウス・プティパ、改訂振付・演出:牧阿佐美、管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団、出演:スヴェトラーナ・ザハロワ/ダニラ・コルスンツェフ/森田健太郎ほか、新国立劇場オペラ劇場)

を観に行った。最高!演奏面では木管のピッチが悪かったりしたのだが、それでも最高。こういうもののために舞台に行くのだ!と思わせてくれた。何と言ってもやはりザハロワである。あまりに素晴らしい。特に類稀なリズム感。踊りを踊る人たちに見られる独特のリズム感のなさ(もちろん多くの人にある程度のリズム感はあるが、音楽的ではなかったりする)がみじんも感じられない。それはおそらくはからだの柔軟性に由来しているのだろう。バレエダンサーであれば誰しもからだが柔らかいかと思いきや、そのやわらかさの程度は人によって異なる。ザハロワはその抜群の柔軟性のゆえに自在にターンのスピードなどを調節しているように見える(イメージとしてはコルトレーンの自由自在な感じに通ずるものがある)。何て素晴らしいからだなんだ!途中結構眠いところもあって、演目としての『ライモンダ』はあまりよく出来ているとは思えなかったが、ザハロワが出てくると目が覚めるのであった。ちなみに王子(ジャン・ド・ブリエンヌ)役のダニラ・コルスンツェフも大変素晴らしかった。アブデラクマンは演出がちがうのか先日観たビデオより見せ場が少なく、その上決闘のシーンでは頭を剣で打たれるところで銅鑼がジャーンと鳴る。かわうそ