原恵一監督 2001『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(演出:水島努)

をテレビで観た。多分三回目くらい。打ち込んでいて初めて気づいたがタイトルはスター・ウォーズのもじりだったのか。うかつにも今まで気づかなんだ。しかしCMがはさまるテレビ放映の映画を観たのは久しぶりだ。たまたま観始めてしまったのだが、あんまり面白いので最後まで。もうこの映画はあらゆるところで評価されていることであるし、あまりにいろんなところで評価されつくしたために「オレは分かっている」アピールとして「クレヨンしんちゃんの映画を評価する」というスタンスがもはや有効ではなさそうだし、その反動からすでに自分は「そう褒めてばかりもいられないんじゃないか」という気分にすらなっているが、とにかく褒めておく。素晴らしい映画だ。弟と二人並んで観ていなかったら号泣していただろう。二人で並んでいたがためにこらえなければならず、こらえるのは思いのほか大変だった。今回改めて観てみてやはり演出のうまさには感心した。音楽の入れ方など含めて。たいしたものだ。ちなみに「褒めてばかりもいられない」と思ったのは最後の最後でやはりフォークがかかってしまうことで、これはフォークという音楽についてよくよく考えてみなければいけないことではあるわけだが、あれ結局そこに回収されちゃうのか、というか実は家族とか何とか言いまくってるし、うーん。有り体に言ってしまえばよく出来た(きわめて巧妙に糊塗されたという意味で)えげつない保守、なのかも知れない。と感じたのだった。実存の皮を被った保守。まぁ別に保守を悪いと言うつもりは毛頭ないし、というか自分は保守的であるし、しかし家族とかいう言葉が出てくるとどうしてもなぁ。そして最後にフォークだ。まぁしかし、きわめてよい映画。であることに変わりはない。