鮎川潤,2001,『少年犯罪〜ほんとうに多発化・凶悪化しているのか』平凡社

読了。少年犯罪を、「互いに働きかけあい、相互に行為しあうなかで作られるもの」として考察し、ステレオタイプな少年犯罪観に対するオルタナティブを・・・。ぎゃー。またか。またかってこともないかもしれないが、どうもこの界隈ではインタラクションお化けとかオルタナティブお化けみたいなのが跋扈しているようである。新書とは言えあまりに書き方が純朴に過ぎるのではないかと余計な心配などしてみるも、内容として勉強にはなったことは吾人としても些かも否定しようとは思わない点であります。ただしよくよく考えてみると純朴とかナイーブであるとかそんなことではなく、構築主義系の実在論争でよく指摘される陥穽におちいっている気がしなくもない。いわゆる「対象は変わってないのに言説はこんなに変わった」系の本ではないか。そう思いながら読んだわけではないので確言は出来ないが、思い返してみればそんな気がする。