『NHK交響楽団定期公演』(指揮:外山雄三、NHKホール)

に行った。Aプログラム。一曲目は尾高尚忠『交響曲第1番 作品35』(新発見の第2楽章も含めて演奏/第2楽章は世界初演)、ということで、いやな予感はしていたが、やはりいまいち。ドアタマの最強奏からしNHKホールのだだっ広さが音を拡散させてしまっている印象を受けたし、だいいち日本人が書くシンフォニーってどうしていつもこうなんだ、と思わせる独特の垢抜けなさ。音圧の足りない感じは徐々に慣れていったものの、曲には慣れないまま終わった。N響は当然のようにうまかったが。休憩を挟んで二曲目はお目当てのマーラー交響曲第5番嬰ハ短調』。なんといっても曲が素晴らしい!やはりクラシックは生だよなあと、そんなあほなことを聴きながら考えたわけではないが今考えた。分解能がちがう。しかしCDではそんなことを考えもしなかったが、演奏するのは至難の曲であった。それをN響はほとんど軽々と合わせてしまうから驚き。一楽章のみ演奏面でアーティキュレーションが漫画っぽかったなぁと思ったりしたものの、結果的には素晴らしかった。都市に祝祭は要らない、らしいが、5楽章のフィナーレなどは、本当にもうあほかと言うほどの祝祭であった。