小谷野敦編著,2005,『禁煙ファシズムと戦う』,ベスト新書

読了。ちなみにこの記事をエントリーするときにかかっていた曲がKing Crimsonの"21st. Century Schizoid Man"であった。かつて「21世紀の精神異常者」と訳されていたものが「21世紀のスキッツォイド・マン」となって云々。スキッツォイドとは凄いな。最近では「デスパレートな妻たち」がこれに比肩しうると思われる。さて、禁煙ファシズムと戦う人たちの主張は、分煙である。ともすれば「分煙?ハッ。っていうこのスタンス。吸うな!死ね!」という論調に傾きがちと言えなくもない「ファッショ」サイドに対して、「そんなこと言うあんたたちはファシストだ。私たちは断固分煙を主張する」という反禁煙サイド。この非対称性はなんだろうか。なんだろうかっていう問い方自体がちょっと違う気もするが。とにかく、さまざまな社会問題が存在するなかで、構築主義系の社会学者がディールできる(というかうまくディールできる)種類の問題とそうでないものがある、ということを考えるのに、たばこの話は最適であると思った。どうでもいいが綿矢りさは自分で書いて勝手に懐かしくなった。