川本敏編,2001,『論争・少子化日本』,中公新書

読了。タイトルからして、つまり「なぜ少子化について論争しなければならないのか」というところからして注意が必要、ということがこの本に書いてあるわけではない(読みにくい文章だ)。ただこの本を読むときにそういう話をする、という話である。二十本程度の「論文」が収められているが、しかしそれにしてもみなさん言いたい放題である。すげーな。いや、別に言いっ放しの言いたい放題であるということについては別に「すげー」と驚くほどのことではないということはよく分かっているのだが。それにしても、本当に(何が「本当に」なのかは差し当たって議論から措くとして)この本が「少子化問題についての言説の布置連関」についてある程度の見取り図を与えてくれるかどうかは疑問だと思った。