新国立劇場『やわらかい服を着て』(作・演出:永井愛、出演:吉田栄作/小島聖/月影瞳ほか、新国立劇場小劇場)

を観に行った。当日券ねらいで開演一時間前に行ったらすでに売り切れていたのでキャンセル待ちのために並ぶ。キャンセル待ちの人々の中では一番だった。結局まあよい席で観られた。内容は、うーん。すごく陳腐なところが目に付く感じではあるものの、男女の関係、付き合っている二人に対する他人の振る舞いとか、そんな感じのところのリアリティはいまだかつて観たことのないクオリティだった。イラク戦争演劇(安直なカテゴライズだ!)といえば野田秀樹の『オイル』とチェルフィッチュの『三月の5日間』を思い出すが、永井愛はかなりの直球勝負であった。中学生みたいな、思わずつっこみたくなるところが少なからずあったものの、しかし総体としてそれらを笑い飛ばせるかというと、別に政治的により洗練された意見を打ち出せるわけでもなく、その辺は何とも考えさせられるところではあったが、演劇の問題意識はそこにはないのではないかという気もした。とは言ってもザ・演劇という感じであった。