劇団地上3mm『私の副流煙を吸って』(作・演出:川口典成、出演:堂下勝気(怪童堂)/本田幸男(第七病棟)ほか、pit北/区域)

を観に行った。へんなハコだった。セットはなかなか面白い。テレビと音楽の使い方に特徴がある演出(演出家)だが、うーん。フルハウスとか、どうなんだ。どうなんだ、というよりも、どんな効果をどれだけあげているのか。今までも「ことば」について気になるところがあったが、今回はうまい役者さんに限って気にならなかった。抱きつくシーンは何か真に迫っていたけどそのせいで演劇のシーンとしては微妙になっている気もした。けど切なかった。関係ないけど宇宙人が宇宙人語をしゃべるところは凄く面白かった(笑えたとかそういうことではなくて)。あとは、人の殺し方をもう少し考えて欲しい、と言っても無理なのかもしれないけれど、もう少しどうにかならないものか。恋愛経験がないのに恋愛について書けないのと同じように、近親者の死を経験しないままに死を描こうとすれば、それは表面的なものにとどまってしまって、死を経験することが本当に現実に表面的な経験だとしても、それをそのように描くことはできないだろう。なぜ作中で人を死なせるのか。そんなに簡単なことではないはずだ。