Goffman, Erving, 1963, STIGMA : Notes on the Management of Spoiled Identity, Prentice-Hall, Inc. 石黒毅訳『スティグマの社会学―烙印を押されたアイデンティティ』, 2003, せりか書房

読了。ゴッフマンは一年以上前に『出会い』を読んで以来なかなか面白いと思っていたが、今回読み終わった主著とも言われる本はまた大変面白かった。インタラクションとしてのスティグマを巡る微細な分析。時間の経過にしたがってスティグマとしての性質を弱めるものと、逆に新たにスティグマ化されるものがあるため、スティグマ研究はあらゆる時点で行われてよいものであるし、同時にその通時性(というか共時性というか)は常に意識されなければならないだろう。歴史的なダイナミクスを射程に納めきれないというミクロ研究の弱点。