ティム・バートン監督 2005『ティム・バートンのコープスブライド』(主演:ジョニー・デップ/ヘレナ・ボナム=カーター、音楽:ダニー・エルフマン、アメリカ、カラー)

を目黒シネマで観た。入り口に置いてある手書きの看板からして既に素晴らしいスタッフを擁する映画館であることが分かるが、しかし階段の途中にもロビーにもこれでもかというほど映画への愛があふれていてなんだかまだ何も観ていないのに楽しいような幸せなようなわくわくするような気持ちになる。スクリーン自体はさして大きくないものの座席はいいイスだし、なかなかどうしていい映画館ではないか、などと偉そうなことを思っていたらきっかりオンタイムで上映が始まってそこもまた好感度大。さて、映画の方はといえば「意外にもミュージカルである」ということは前情報として知っていたので意外でもなんでもなかったものの、しかし音楽がなかなかどうしてよろしかった。音楽のエルフマンはかつてオインゴ・ボインゴというバンド(ジョジョを思い出さずにはいられない)をやっていた人らしいが、『チャーリーとチョコレート工場』もやはりこのエルフマンであった。要チェックである。主演の二人はともに好演、クリストファー・リーもまんまクリストファー・リーという感じで(おそらくこの辺りはティム・バートンがもろに狙っているところだろうが)なんだかそれだけでおかしみがあった。77分という短さを逆手にとって、タイトで風通しのいい小品に仕上げている辺りはやはり監督のバランス感覚か。泣ける良い話だしカメラワークもしっかり良い感じになっていてなかなか良い映画であった。