『ドイツ写真の現在』展(東京国立近代美術館)

に行った。なんだかよく分からない安さ(大学生\350)で入れたが、内容はすこぶる充実していてお得感満点。もちろんティルマンス目当てで行ったのだが(そしてティルマンスはやはり素晴らしかったのだが)、ベルント&ヒラ・ベッヒャーのシリーズやアンドレアス・グルスキー、ハンス=クリスティアン・シンクなど、他の写真も素晴らしかった。ベッヒャーの建築の写真はみな同じ条件で撮影されているらしいが、それにしても素晴らしい。建築関係の知人にカタログを見せたら案の定大絶賛であった。被写体になっている建築物がどこかしら漫画っぽい変なフォルムで、みていてなんともおもしろかっこいい。グルスキーのスペクタクル的な写真はすごい。ナショナル・ジオグラフィック衛星写真が好きなので、ああいうのはたまらん。シンクにしても他の写真家にしても、なんともフラットでシャープな写真を撮る。絵画でこんな様式があった気がするが、何だったか、言葉が出てこない。同時開催の『アウグスト・ザンダー展』と『所蔵作品展 近代日本の美術』もみたが、どちらもなかなか。と書いてから思ったが、後者はあまり記憶に残っていない。アウグスト・ザンダーの、20世紀初頭の肖像写真がひたすら続くのはかなり面白かった。人間の顔というのは(少なくとも写真に写った顔というのは)百年たってもそこまで変わっていないのかもしれない。ちなみにこの日はバッグが壊れたりしながらもコスプレ喫茶とコスプレ居酒屋に行ったりしてとても楽しかった。日常を燃やしていないとやっていられない感じというのがちょっと分かった気がするが、それが秋葉原に行ったりして分かるというのがなんとも微妙だ。微妙って何だかよく分からないけれど。