2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『しとやかな獣』(作:新藤兼人,演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ,出演:浅野和之ほか,紀伊國屋ホール)

を観た.回避しなければならないところは回避し,押さえなければならないところは押さえられていて,なかなか実直な演出であった.ただ,難しい脚本だったと思う.

Color Bars

『東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻2008年度修了制作展』(BankART Studio NYK)

に行った.なかなか面白かった.ものもあった.しかし,何だろうと,それを作るのに苦労はあるのであって,別に「苦労」に対して抽象的な感情移入をすることはないのだが,しかし,「作品」はその「過程」とともに受容することが肝要である場合もまああるだ…

Ne Cherche Pas A Plaire

『山下洋輔プロデュース 茂木大輔PLAYSヤマシタワールド』(東京オペラシティコンサートホール)

に行った.あまり良い気持ちのする演奏会ではなかった.<「のだめ」以後>のコンサート,とはこういう感じか,とも思うが,それはもちろん茂木大輔という人の特性もあるのだけれど,コンサートというメディアには実は自分はもう少し違うものを期待していた…

Space Aura

夏目漱石,1975,『三四郎』ほるぷ.

読了.高校3年生のときに初めて読んで,今回が二度目.全体の印象として非常に酷薄な感じを受けた.もっと能天気な話かと思っていたのだが,能天気なのは自分であった.それにしても本当に素晴らしい.

Kinda Vague

能『伯母捨』(シテ:友枝昭世,横浜能楽堂)

を観た.DVDで.動きのひとつひとつ,謡のひとつひとつにも,視覚的聴覚的な快楽があって,その調和は,あまりに完璧すぎて,目にもとまらず意識にも上らないくらいなのであった.

夜の風

『若者能』(目黒十四世喜多六平太記念能楽堂)

に行った.「演劇みたい」な能の上演は,翻って「能じゃないみたい」になるのであって,別に「能みたい」であることを死守すべきだとも思わないものの,しかし「演劇みたい」な能は面白くは感じなかったのであった.中途半端に型の中に情感を盛り込もうとす…

Nervi Scoperti

大友良英×田中泯『つまりひとりからだから』(中野富士見町Plan-B)

に行った.一般的に言われる言葉としての「気持ちよさ」というのは少なかったが,素晴らしいパフォーマンスだった.音や,演奏する手つきや,あるいは筋肉を動かす感覚などのマチエールに自分を同期させていくことは気持ちがよい.しかしなぜマチエールが気…

くちぶえ〜Wayward Story〜