2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

劇団地上3mm『落下傘―夏の終わりに師について考える一週間―』(坂口安吾「霓博士の廃頽」太宰治「駆込み訴え」川口典成「夕焼け先生についての一考察」,吉祥寺bar drop)

を観た.二回目.一回目よりも全然よかった.特に「ニジ博士」がとてもいい作品になっていて,観に行ってよかった.そうか,やっぱりグルーヴなんだな,と思った.最後にどかんと解決をつけてカタルシスを得ずとも,途中がうまく歯車が噛み合ってグルーヴし…

Je Suis Venue Te Dire Que Je M’en Vais

Barthes, R., 1977, FRAGMENTS D'UN DISCOURS AMOUREUX, Paris: Éditions du Seuil.(=三好郁朗訳,1980,『恋愛のディスクール・断章』みすず書房.)

読了.あまりに素晴らしく,思わず引用したくなってしまう短い言葉も多くて,読み進めるのがもったいないからちびちびと読んでいた.しかし,前半を読んでいた半年くらい前には一ページ読むのにもなみだなみだであったのが,最近は別にどうということもなく…

Over My Head

筒井康隆,2008,『ダンシング・ヴァニティ』新潮社.

読了.母の友人から母がもらったものをさらにもらった.最近こんな感想ばかりだが,最後なんて本当に泣ける.世界というか,人生を愛するあの感じに.そういえば,『8 1/2』のようでもあり,というか,筒井康隆の『8 1/2』であると言ってよい.気がする.本…

After All

劇団地上3mm『落下傘―夏の終わりに師について考える一週間―』(坂口安吾「霓博士の廃頽」太宰治「駆込み訴え」川口典成「夕焼け先生についての一考察」,吉祥寺bar drop)

に行った.特筆すべきは太宰の「駆込み訴え」で,これははっきりともう,ひとつの達成と言っていいクオリティの,ひとつの作品と言っていい達成であった.これを観ろ.演劇を観る人は,これを観なければいけない.この作品は役者はもちろん他にも色々と,素…

Addicted To You (Up-In-Heaven-Mix)

松尾スズキ,2004,『宗教が往く』マガジンハウス.

読了.友人のカワグチくんに借りて.彼は人から借りたものをろくに返さないうちから当の相手にこうやって本など貸してくれる.当てつけにこの本を別の人に又貸ししてやろうか.とまれ,文体にやや荒削りなところがある,などとしたり顔で思ってみても,文体…

Or

江戸川乱歩,1984,『日本探偵小説全集2 江戸川乱歩集』東京創元社.

読了.素直にめちゃくちゃ面白かったので,自分はとても素直な人間なのだろうと思う.猟奇的な描写やゴシックの暗いナルシズムに厭な感じを覚えながらも,夢中になる.読後には,自分の世界と違う世界(しかしすぐそこにある!)を覗いてしまったような,夢…

Let’s be still

中澤秀雄,2005,『住民投票運動とローカルレジーム――新潟県巻町と根源的民主主義の細道,1994-2004』ハーベスト社.

読了.ずいぶんと長いことかけてちびちびと読んだ.ちびちびと,というのと,ちび,という言葉は関係があるのか.ちなみに酒はちびりちびりと飲む.ちびりとちびるは関係あるのか.あといちびる.そういえば,「ちびた鉛筆」って言葉もある.ある,とは言っ…

雨上がりにもう一度キスをして

横山秀夫,2007,『臨場』光文社.

読了.父に借りる大衆小説シリーズ第六弾.面白かった.人情話である.あまりよく分からないけれど,きっと話が上手であるので,いとも簡単に泣かされそうになる.いやー.

Chief Crazy Horse

アンソニー・マン監督,1951,『怒りの河』(出演:ジェームズ・スチュアート/アーサー・ケネディ/ジュリー・アダムスほか,アメリカ,カラー)

を観た.BS2を録画したものを.面白かった!西部劇はめちゃくちゃ面白いのではないか.ハリウッド映画に連なっていくクリシェ,あとは安定した画面と編集があり,本当にご都合主義的で,何とも素晴らしい.日本の時代劇にも似ているのだと思う.いつだったか…

She Is Love

珍しいキノコ舞踊団『珍しいキノコ大図鑑』(振付・構成・演出:伊藤千枝,ル テアトル銀座)

に行った.楽しかった!その名の通りというか何というかの総集編で,うーむ.ひとくちにキノコと言ってもいろんな作品がある,ということが1回の公演で分かってしまうという作りで,盛りだくさんなのだが,やはり,ひとつスジを通して欲しかった気もする.…

Exitraction...

三島由紀夫,1982,『小説家の休暇』新潮社

読了.面白かった!強靱で柔軟な精神の発露という感じで,しかし,その強靱さと柔軟さは,良いことだったのかとも考える.弱いより強い方が良いとか,どういうことなんだろうな.三島には,そういえば,そういった意味で,欠損や弱味のゆえにべったりと癒着…

Fool Girl

鳥居明雄,1994,『漂泊の中世』ぺりかん社

読了.好きなこと,というか,こうありたい,という事柄があって,例えば,変な信仰を持たず出来るだけいろいろ疑ってかかって何にも寄りかからないようにしながら,ひたすら意志の力のみを根拠にして真善美を目指すというようなこと.なぜ意志かというと,…

Soul Intro/The Chicken

藤村安芸子,2007,『石原莞爾―愛と最終戦争』講談社

読了.「再発見 日本の哲学」というシリーズの中の一冊で,先輩から借りて,けっきょく頂戴した.しかし,これを貸してくれるというのは,何ともナイスチョイスであった!何となく右翼的でかつ宗教の胡散臭さと共にイメージされていた(自分の中で)石原莞爾…

Valse Triste

新国立劇場『ラ・バヤデール』(作曲:レオン・ミンクス,振付:マリウス・プティパ,管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団,出演:スヴェトラーナ・ザハロワ/デニス・マトヴィエンコほか,新国立劇場オペラ劇場)

を観た.芸術劇場の録画.寝不足で,なかば寝ていた.しかし,バレエはいいな.問答無用だ.

The Fall Of Mr. Fifths

ルネ・ラルー監督,1987,『ガンダーラ』(音楽:ガブリエル・ヤーレ,フランス,カラー)

を観た.録画.あまりにスター・ウォーズとナウシカに酷似しており,しかし,調べてみるとスター・ウォーズはもとよりナウシカよりも制作年代は後なので,ちょっとがっかりした.それにしても,「人はいかに生きるべきか」みたいなことが,いとも簡単に語ら…

Gold In Mountain Of Our Madness