2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『第二回日経能楽鑑賞会』(国立能楽堂)

に行った.狂言「隠狸」(野村万作)と能「松風」(友枝昭世).狂言の方は,観て,形式や型というのは安定感のことなのだろうと思った.能は,別離した恋人の衣服を身につける話で,といえば真っ先に思い出すのは「井筒」だが,これは話としてはあんまりな…

Yeah Man!

フランシス・フォード・コッポラ監督,1974,『ゴッドファーザーPART II』(出演:アル・パチーノ/ロバート・デュヴァル/ロバート・デ・ニーロほか,音楽:ニーノ・ロータ,アメリカ,カラー)

を続けて観た.DVDで.久しぶりに観るとやはり違う視点が生まれるし,何よりこの映画は登場人物や話がちょっと複雑なので,一度目はよく分かっていなかった部分などがよく分かった.伏線とかそういうことではなく,人物名が覚えきれないので,次々と人が登場…

フランシス・フォード・コッポラ監督,1972,『ゴッドファーザー』(出演:マーロン・ブランド/アル・パチーノほか,音楽:ニーノ・ロータ,アメリカ,カラー)

Marry Me

『中村美律子特別公演 出ばやし一代/中村美律子オンステージ』(新宿コマ劇場)

に行った.色々と感銘を受けたが,特に,伴奏が生バンドだったのだが,その手堅さに,ほとんど敬虔とでも言いたくなるような気持ちになった.本当に凄い.

『ダーウィン展』(国立科学博物館)

にも行った.これまた楽しかった!科学博物館は楽しい.ダーウィンとかはどうでもいい.科学博物館は本当に楽しい.そして上野を離れ,

『バウハウス・デッサウ展』(東京藝術大学大学美術館)

に行った.楽しかった!形式ということについて考えた.何なんだろうな.そしてはしごして,

Did I Tell You

平野嘉彦,2007,『ホフマンと乱歩 人形と光学器械のエロス』みすず書房

読了.別に何と言うこともない気がする.それにしたって,小説を読むっていうのは何とも難しいものであって,というか,駄目な読み方も良い読み方もされることが出来る,小説という存在は,なかなかどうしてやはり偉いのではないか.

たからもの

『森山大道展』(東京都写真美術館)

に行った.素晴らしかった!特に「ハワイ」の方は,会場の入り口を入ってすぐに広がる風景がすごくよくて,素晴らしいキュレーション!しっかりと,コンテンポラリーな写真作品とその展示が実現されていて,嬉しかった.「レトロスペクティブ」の方も,大変…

別れ

神原理編,2005,『コミュニティ・ビジネス―新しい市民社会に向けた多角的分析―』白桃書房

読了.本を読むのは簡単だ.問題なのは,本を読むことをスタイルとして生産的な過程に組み込むことであって,そうなるとそれはもはやいわゆる読書ではない.ところで画像はこの本とは関係ない,伊勢丹でやっていたプッチの展示販売のチラシ.プッチは大好き…

FANTASIA III

ポール・トーマス・アンダーソン監督,2007,『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(原作:アプトン・シンクレア,出演:ダニエル・デイ=ルイスほか,音楽:ジョニー・グリーンウッド,アメリカ,カラー)

を観に行った.渋谷アミューズCQN.面白かった気がする!しかし,自分が抱いた感覚について,いまだによく分からない.振り返ってみれば色々とうまい映画であることは確かで,凄く上手に色々な落とし穴を回避しているのだが,それがどうやって面白さにつなが…

諦念プシガンガ

乞局『杭抗』(脚本・演出:下西啓正,こまばアゴラ劇場)

に行った.最後のシーンについて,それがどういう効果を意図してのものなのか,はよく分かり,そこを放り投げていない点はよいと思ったが,それ以外のシーンは,何をどう意図しているのか(あるいは何も意図していないのか),よく分からないものが多く,そ…

『ナンシー関大ハンコ展』(渋谷パルコパート1パルコファクトリー)

に行った.平日の昼間だというのに大盛況.全部はとても見切れない量が展示されている.それにしても,見ていて目頭が熱くなった.あー.今さら言うのも恥ずかしい話だが,世界をああいう風に愛することは,それ自体が何というか言い方が難しいが尊いことで…

Moon In June

『かもめ・・・プレイ』(演出:エンリケ・ディアス,原作:アントン・チェーホフ,静岡芸術劇場舞台芸術公園野外劇場「有度」)

に行った.はるばる静岡まで,三羽烏で.上演自体(あとアフタートーク)もそんなに悪いものではなかったものの,それに触発されて交わした会話は遙かに有意義で,実に素晴らしかった.自分たちのポテンシャルを再確認した.そしてチェーホフをなかなか良い…

Blue Subrhyme

阿部和重,2003,『シンセミア 下』朝日新聞社

(上の続き)分節化されずに,鈍く受け止めていたら,こんなに喰らわなかっただろう.今となっては,そのことばかりを思うが,問題なのは,喰らってしまったあとの自分のことであり,こうやってまた何ものかに対する復讐心が補充されていく.正確には,ダメ…

黒の子守唄

阿部和重,2003,『シンセミア 上』朝日新聞社

読了.だいぶ以前に古本屋で買って積ん読だったのを,いよいよ寝付きが悪くて読み始めたところ,止まらなくなって順調に朝を迎えた,というのをふた晩続けて読みおわった.要するにめちゃくちゃ面白かったのだが,同時に重く,そしてその重さに寄りかかるこ…

ラブ・クローン

『国宝薬師寺展』(東京国立博物館平成館)

に行った.凄い混雑.人でいっぱいの駅のホームのような館内を歩きながら,「インスタレーション」とか,あるいは「デペイズマン」とかっていうのは辞書ではどういう意味だったか,考えていた.辞書の上での意味が,ある方向に延長され,種々の含意を持たさ…

Roots

マシュー・バーニー『クレマスター2』

を某所で観た.そんなに簡単に観られるものではないのだが,まぁそれはいい.ゲイリー・ギルモアの主題が中心に据えられているような気がするものの,それとて些末事であって,問題なのは,どうしたって,どこをどうひっくり返してみても,うまくできている…

The Spark That Bled