2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

パラドックス定数『HIDE AND SEEK』(作・演出:野木萌葱,ザムザ阿佐谷)

に行った.いつものパラドックス定数と違い,しかし,「それはそれで面白い」という状態ではなく,あまり面白くなかった.とはいえパラドックス定数の基本ポイント(にして最大のポイントと思うが)であるところの,セリフ劇のなかでセリフ主導で身体(とい…

波よせて

大友良英ニュージャズオーケストラ『楕円の誘惑』(浅草アサヒアートスクエア)

に行った.ONJOは2006年の9月にも同じ会場でライブをしている.その時は,まさにエモ音響真っ盛りの時期で,非常な音楽的感動があった.過剰に図式的な記述であることを断った上で書くが,2007年はエモ音響から離脱しようとしたONJOの試行錯誤の年であり,そ…

Pheromone

星野智幸,2005,『最後の吐息』河出書房新社

読了.素晴らしかった.良い小説だったので,何を書けばいいのか分からないが,ひとつは単純に,まだ触覚も嗅覚も味覚も残っていたと言うことであり,かつ聴覚と視覚についてもそこにあるのは鮮やかさである.その鮮やかさは,森の中にある家がお菓子で出来…

I’ll Never Smile Again

庭劇団ペニノ『苛々する大人の絵本』(作・演出:タニノクロウ,青山はこぶね)

(『顔よ』の続き)そしてもうひとり,タニノクロウはと言えば,『苛々する大人の絵本』当日パンフレットにおいて「創作における発達(発展)とはなにか?」という問題に言及しており,これがまたどこまで本気なのだかさっぱり分からない.

δ〜Sunrise Sunset

ポツドール『顔よ』(脚本・演出:三浦大輔,本多劇場)

を観に行った.開演してすぐ,舞台美術が,いつもより間が抜けていることに観客は気づくだろう.書き割りのようであることを狙ったようであり,従来のポツドール作品(再演『激情』まで.『人間失格』では既に今回の傾向の萌芽が見られる)のように,偏執狂…

Asbury Park

船曳建夫,2005,『大学のエスノグラフィティ』有斐閣

読了.なんだか少し安心する,良い本だった.とは言え,真摯に,実存をかけて書かれているような側面もあり,容易ならざる部分もあり,安心させられるばかりでもなく,しかしそういうところに限ってさらっと書いてあったりもする.

ゴッデスバップス1999

Flaubert, G., 1857, Madame Bovary.(=伊吹武彦訳,1939,『ボヴァリー夫人 下』岩波書店)

読了した.画像は「ボヴァリー夫人を解剖するフロベール」という漫画.しかし言うまでもないことではあるだろうが言っておくがフロベールはボヴァリー夫人を決して解剖などしていないのであって,それはもう少し悲痛な寄り添い方をしていると見るべきであろ…

ラストシーン