2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『フルムーン』(新宿文化センター)

に行った.人生は基本的にハッピーだと思っている奴がいるとして,一方で人生は基本的に退屈だと思っている奴や,他方には「人生が云々なんて言っちゃってるよ,うわー,恥ずかしい」と言う奴がいて,しかし,基本的に退屈だししかしそう思うことすらも恥ず…

Lexie

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『パレルモ、パレルモ』(新百合ヶ丘テアトロジーリオショウワ)

に行った.大変素晴らしい.こういうものを観なくてはいけない.おいしいものを食べるときにも同じ事を思う(こういうものを食べなくてはいけない)が,そう,それは同じ事なのだな.適当なところで妥協する必要など,我々の誰にもないはずなのである.

忘れられたBIG WAVE

Flaubert, G., 1857, Madame Bovary.(=伊吹武彦訳,1939,『ボヴァリー夫人 上』岩波書店)

読了.めちゃくちゃ面白い.自由間接話法は,イメージの世界へとつながっていくのだな.

夜行性の生き物3匹

『ムネモパーク』(構成・演出:シュテファン・ケーギ(リミニ・プロトコル),にしすがも創造舎)

を観に行った.たいへん面白かった!最後なんて,すごく泣ける.場所と記憶にまつわる事柄が,目の前の身体を媒介にして観客の想像のなかで立ち現れてくるというのは,これこそまさに演劇に他ならないのであって,電車の模型や映像の使用などのギミックを超…

Desaparecere

チェルフィッチュ『フリータイム』(作・演出:岡田利規,出演:山縣太一/山崎ルキノ/下西啓正/伊藤沙保ほか,音楽:小泉篤宏(サンガツ),六本木Super Deluxe)

を観に行った.セットとか,動きとか,なんだかヨーロピアンな感じがしたのは先入観によるものばかりではなかろうと思うが,その印象とは裏腹に(これは恐らく裏腹だ),やけに余白の多い作品だった.そしてその余白がなんだかすかっとした感じというか,暑…

Interplay

康本雅子『チビルダミチルダ』(作り手:康本雅子,演り手:新鋪美佳/佐藤亮介/康本雅子ほか,アサヒアートスクエア)

に行った.特に康本雅子本人以外の部分に,康本雅子特有のヴォキャブラリーがよく表れていて,また,全体的な構成もどこか今までの作品の総集編のようなところがあり,全体的にあまり盛り上がらずに終わったものの,個々の振付はやはり面白かったのであり,…

November 15

Shakespeare, W., 1602, Othello.(=菅泰男訳,1960,『オセロウ』岩波書店)

読了.最も気になったのは,デズデモウナが人のために何かをしようとする,その心の傾きの醜さであり,オセロウがイアーゴウをあくまで信頼しようとする,その心の傾きの醜さであった(もっとも,イアーゴウを信頼しているのは何もオセロウだけではないこと…

Getting Better

『サラ・ジー展』(メゾン・エルメス8Fフォーラム)

に行った.多忙の合間を縫って行ってよかった!なぜなら会期が長いので,もう一度行けるからだ.細々したものを使っていても,作品は細々しない,というか,細部と全体が極めてうまく調和していて,それは何も使われているものたちが現代的なものであったか…

Brigitte

『溺れる男』(演出:ダニエル・ベロネッセ,原作:アントン・チェーホフ『三人姉妹』,にしすがも創造舎)

を観に行った.『三人姉妹』に対して,登場人物の性別を入れ替える以外に取り立てて大きな改変を施さず(省略は多かったが)立ち向かったことは評価されてもいいかも知れないが,しかし,それが戯曲の持っている演劇の力にまでたどり着けていたかというと,…

恋はシグナル

五反田団『偉大なる生活の冒険』(作・演出:前田司郎,こまばアゴラ劇場)

に行った.端的に,筆が荒れている気がして,また,かつて五反田団に感じていた,夢のような感じ,という素晴らしさが,痕跡だけ残してどこかへ消えてしまっていて残念だった.というか,あまり演劇としての面白さがなく,いや,平均からすると面白いのだが…

Paradise Alley

『第八十三回 粟谷能の会』(国立能楽堂)

に行った.演目は,能「邯鄲」(粟谷明生),狂言「鶯」(野村万作),能「隅田川」(粟谷能夫).色々と感想が書きにくい部分もあるのでそこは書かないでおくが,良い公演だった.「隅田川」について考えた.

Snow Queen