2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

山村浩二監督『田舎医者』(原作:フランツ・カフカ,声の出演:茂山千作/茂山七五三/茂山逸平/金原ひとみほか,日本,カラー)

を観に行った.素晴らしかった!山村浩二といえばやはり『頭山』が有名だがそれは未見だったのを,今回は標題の『田舎医者』と同時上映だったので,素晴らしいプログラムであった(他に『年をとった鰐』『こどもの形而上学』『校長先生とクジラ』).以前か…

When Will This End

『地下展 UNDERGROUND −空想と科学がもたらす闇の冒険−』(日本科学未来館)

に行った.楽しかった.どうしてお台場くんだりまで行ったかというと,この展覧会で使われている,地下をイメージした効果音というのが,大友良英やその周辺の人々によって演奏されているからで,あとは,展示風景も楽しそうだったからだ.大深度地下計画と…

SALSA NO TIENE FRONTERA

ニブロール『ロミオ OR ジュリエット』(振付:矢内原美邦,映像:高橋啓祐,衣裳:矢内原充志,音楽:スカンク,世田谷パブリックシアター)

を観に行った.前評判によれば「よく分からん」「つまらん」ということだったので,心の準備は出来ていたが,まぁそんな感じだった.振付,映像ともにクオリティが高く,特に振付は前作『no direction。』よりはるかに独創的でハイスピードであった.しかし…

『ブルーノ・ムナーリ-しごとに関係ある人出入りおことわり-』展(Shiodomeitaliaクリエイティブ・センター)

に行った.良い展示だった.やはり未来派を想起させるデザインが多いが,未来派っぽさのなかにも柔らかさがあり,それがよい.デザインもアカデミズムも音楽も演劇も(あともっと色々な諸々も),どこか,「問題」を探すところが勝負であるようなところがあ…

After the Curtain

永井良和,2002,『風俗営業取締り』講談社

読了.風俗といえば,かつて友人から「エステと占いは女の風俗」と聞いた.エステにしろ占いにしろ,突き詰めれば根拠など何もない自信に対して,アイロニカルな根拠を与えるところにパワーの源泉があるのだろう.ただ,エステの方は,アイロニカルとは言え…

Pocketful of Rainbows

『SPACE FOR YOUR FUTURE』展(東京都現代美術館)

に行った.三羽烏で.しかしこの『SPACE FOR YOUR FUTURE』展は,意外と楽しくなくて,マイケル・リン,タナカノリユキ,デマーカスファンくらいしか見るべきものはなかったのではないか(他に良いものがあったら教えてください.本当に,意外と,よく分から…

Further On Up The Road

『東京国立博物館本館平常展』

に行った.長谷川等伯の松林図屏風を目当てに.東博の平常展は,しかし凄いな.キャンパスなんたらという制度があって,特定の学校の学生はいろんな美術館で学生料金からさらに割引があったりするけれど,東博の平常展はなんとタダだ.これはもう通うしかな…

Σ

『エクスプローラー[山下洋輔の新しいピアノ協奏曲]』(東京オペラシティコンサートホール)

に行った.協奏曲ということで,オケ付で,オケは東京フィルハーモニー交響楽団,指揮は佐渡裕であった.また,オーケストレーションは挟間美帆という,1986年生まれの国立音大3年生だ.アレンジは,大学ビッグバンドでもアレンジャーだけプロに外注すること…

Passing Through

『六本木クロッシング2007:未來への脈動』展(森美術館)

に行った.楽しかった!何と言っても今回は小林耕平という人を発見したのが大きい.素晴らしかった!映像には,まだこんなにもマチエールが取り残されていたのである.ものの運動や重みを動画として,その質感が観る者に伝わるように作品化する,という意味…

あおぞら

上野千鶴子,1998,『ナショナリズムとジェンダー』青土社

読了.たしか,Amazonで1円で買った.最近はよくAmazonで買い物をする.受け取りの時に,宅急便などと違い,印鑑を捺すために在宅している必要がないのが素晴らしい.素晴らしくダメだし,素晴らしく素晴らしいとも思うが,便利なことに変わりはない.だい…

Je Ne Veux Plus D’accordéon

佐藤卓ディレクション『water』展(21_21 DESIGN SIGHT)

に行った.楽しかった.楽しいことは貴重なことである.それが微々たる楽しみだとしても,楽しくないのではないということ,怒りや徒労や孤独を感じさせないということ,は,貴重なことである.としても,やはり,ただの水遊びではないかということも一方で…

ちっちゃな時から

Kafka, F., DAS SCHLOSS, SCHOKEN BOOKS.(=辻瑆・中野孝次・萩原芳昭訳,1953,『カフカ全集I 城』新潮社)

読了.カフカはよく分からないと言い続けて幾星霜,おかげさまでよく分かるようになりました.寓話的であったりとか,何か「っぽさ」だけの子供だましであるようなものを毛嫌いしているので自分にはよく分からなかったのだろうけれど,カフカは一見リアリズ…

S

高見沢実,2000,『初学者のための都市工学入門』鹿島出版会

読了.思い出すのは,3年ほど前に,「都市工学」という分野が何をしているのか,親しい友人と話をしたことである.「都市」は知っているようでいて「工学」はまったく知らず(今も知らない),結局,ビル風の研究でもするのだろうと思いついて,何てバカら…

Sussudio

伊藤比呂美,2007,『コヨーテ・ソング』スイッチ・パブリッシング

読了.ぼーっとしているとがつんとやられることがあって,たとえば何の気なしに観ていた映画にがつんとやられたりするというようなことだけれど,この本はぼーっと読んでいて,知らないうちにじわじわやられた.先日のSPACの公演で朗読された作品.朗読され…

La Nuit Des Masques

ダニエル・ゲラー/デイナ・ゴールドファイン監督,2005,『バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び』(出演:アリシア・マルコワ/イリナ・バロノワ/ナタリー・クラフスカ/フレデリック・フランクリン/ジョージ・ゾリッチ/他バレエ・リュスの歴史を飾る伝説的なダンサーたち,アメリカ,カラー/モノクロ)

を観に行った.渋谷のライズX.全体に流れるトーンがなんだか幸せな感じで,かつてのダンサーもインタビューに答えて,とにかく踊ることが好きだった,みたいなことばかり言うので,クラシックバレエって非人道的!なんていう風にはあまり思わない作りにな…

Walk Don’t Walk